「なぜ契約したのか?」大谷翔平のIL入りで浮き彫りになった韓国人野手の不遇 3Aで続く“飼い殺し”に母国メディアは苛立ち「キム・ヘソンは忘れられた」

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ドジャースの3Aでアピールを続けてきたキム・ヘソン(C)Getty Images

大谷の代役に抜擢された21歳の超有望株

 満身創痍の大谷翔平に復調するための“休養期間”が与えられた。

 現地時間9月9日に行われた本拠地でのレッズ戦後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、大谷を15日間の負傷者リストに入れると明言。「ショウヘイ、そしてドクター、トレーニングスタッフと話した結果、それが正しいことだと判断した」と語った。

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「今は15日間を使ってしっかりとリセットさせ、少しでも状態を良くすることが一番大事だと思っている。状態を立て直して、ポストシーズンで最高の状態を引き出せるように準備してもらう」

 6月に判明した左膝の炎症に加え、右上腕二頭筋、首の不調とコンディションは悪化の一途を辿った。出場した直近7試合での打撃成績も打率.077(26打数2安打)、出塁率.250、長打率.077と低迷し、7月3日のパドレス戦以来から登板を見送ってきた投手としての復帰どころではなくなった。

 最短で9月23日(現地時間)には戻れる大谷は、ポストシーズンでの復活を目指し、完全休養が決まった。これによってドジャースは、2Aから球団のトッププロスペクトの一人であったホスエ・デ・パウラを昇格。今季のマイナーで、打率.303、27本塁打、104打点、長打率.547OPS.984、31盗塁のハイアベレージを叩き出している21歳をDHとして抜擢していく意向を示した。

 今季は2Aで研鑽を積んできたデ・パウラだが、5ツールプレーヤーとして目に見える結果は出している。加えて、ハマれば、一気に大化けしそうなポテンシャルも十分にある。ゆえにドジャース首脳陣が地区優勝への起爆剤として指名するのも無理はない。

 一方で“スーパースター候補”デ・パウラの抜擢には、落胆の声も聞こえてくる。『OSEN』をはじめとする複数の韓国メディアは、一斉に大谷の代役としてメジャー昇格のお呼びがかからなかったキム・ヘソンの現状を憂いた。

 今季のキム・ヘソンは、春先こそメジャーロースターに加わっていたものの、打撃不振によって5月下旬にマイナー降格。そこから再昇格はなく、3Aでは計81試合に出場して、打率.268、出塁率.336、OPS.688と圧倒的な数字は残せず。三振率も25.4%と高く、確実性の低さが否めない状況が続いていた。

大谷がIL入り。これはドジャースにとって苦渋の決断だったはずだ(C)Getty Images

「もはやミステリー」と揶揄されるキム・ヘソンの現状

 こうした現状を考えれば、構想から外れるのは必然的ではある。しかし、『OSEN』は「“大谷のIL入り”という絶好機にもかかわらず、ドジャースはふたたびキム・ヘソンを見送った」と落胆。さらに「大谷の離脱よって自然に関心は、その空席を誰が満たすかに集まった。しかし、ドジャースが選択したのは、キム・ヘソンではなく、まだメジャー経験がない2A上がりの21歳だった。27歳の韓国人野手の立場からすれば、残念でならない決定だ。無論、ポジションの違いはある。しかし、メジャーリーグのロースターに1つの空きができた状況で、呼び出されなかったという事実は、苦い思いをこみ上げさせる」と嘆いた。

 また、韓国メディア『My Daily』も「大谷がIL入りしてもなお呼ばれなかったことで、キム・ヘソンのメジャー再昇格の可能性は完全に消えたも同然だ」と断言。球団内での存在感の薄さを論じている。

「5月末から3Aでプレーしているキム・ヘソンは、いつの間にか忘れ去られた存在となってしまった。最近も大谷やダルトン・ラッシングの離脱など編成にメスは入れられたが、一度もオクラホマ(3Aの拠点)から呼び戻されることはなかった。

 もちろん、3Aもレベルは高く、学ぶべきものはある。だが、キム・ヘソンは、そこでプレーするためにドジャースと2年の契約延長オプションが付帯する3年総額2200万ドル(約33億9616万円)の契約を締結したわけではない。ドジャースが意図的にキム・ヘソンを無視している姿勢が露わになった今、レギュラーシーズン終了後にトレード要請など、何らかの動きがあるはずだ」

 韓国内で「そもそもなぜ契約したのだろうか。ロバーツたちはキム・ヘソンの長所さえも無視している。もはやミステリーだ」(『My Daily』)とされるキム・ヘソンの“不遇”。その現状は、奇しくも日本の大スターの緊急離脱によって話題となった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]