国立ハンセン病療養所・松丘保養園で慰問コンサートを行った(左から)瀬川瑛子、杉良太郎、伍代夏子

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 厚生労働省特別健康対策監を務める歌手で俳優の杉良太郎(82)が10日、青森市の国立ハンセン病療養所・松丘保養園で慰問コンサートを行った。

 日本最北のハンセン病療養所に、信じられないような大歓声がこだました。杉がステージから下りて入所者と交流すると、感激の涙が次々に連鎖。職員お手製の横断幕には、妻の伍代夏子(64)、瀬川瑛子(79)を含めた3人を迎える津軽弁「よぐ来でけだのー」(よく来てくれたね、の意)の文字が躍った。

 ハンセン病は完治する病気でありながら、感染者や家族に対する差別が長く解消されなかった。杉は、患者の隔離を続けてきた「らい予防法」が廃止されて30年となった今年5月から、全国13か所の国立療養所慰問を開始。1996年に「遠山の金さん」を無料上演した熊本・菊池恵楓園を含めると、この日が8か所目となった。

 主に東北・北海道出身者が入所してきた施設で「私、あまりヒット曲ないんですけど」と冗談を飛ばしつつ、76年発売の代表曲「すきま風」などを歌唱。トークでは自身が15歳から続けてきた刑務所慰問を例に取りながら、かつてハンセン病患者が入れられた懲罰施設「重監房」について触れた。亡くなる人もいたほどの過酷な環境に「皆さんや皆さんの先輩は、人間じゃない扱いを受けてきた。私は怨念を払ってやろうと思って頑張ってきました」と被害者の声を代弁した。

 杉は8月28日に宮城・東北新生園、9月3日には群馬・栗生楽泉園を訪問。今年中に全ての療養所を踏破するためペースを上げている。なぜ福祉活動を続けるのか。「答えなんかないです。生まれつきです。人のために尽くして、尽くしまくって死んでやるんだと思ってます」。改めて献身を約束した。(堀北 禎仁)

 〇…伍代は自身の代表曲「忍ぶ雨」などを披露。夫の杉と60年以上親交がある瀬川について「実はね、歩くのがとっても速いんですよ」と秘話を紹介した。「命くれない」などを歌った瀬川は、「(私は)足が遅いと思っていたら、ジュンコさんが…」と、伍代の名前をまさかの言い間違い。「すいません、夏子さん。ジュンコは私の姉でした」と天然ボケで爆笑を誘った。