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熊本県の阿蘇地方で新米の出荷が始まりました。

【写真を見る】【コメ価格で奇妙な逆転現象】 「新米」<「古米」 コメ農家に厳しい状況「一粒でも多く食べて…」

去年と打って変わって、全国的にコメが余っているとも言われる中で、今年のコメの価格は農家にとって厳しい状況です。

「本当に厳しい年」

熊本県阿蘇市で米を作る立石翼さんは「先行投資した農家もいます。これから生き残りをかけてやっていくなかで本当に厳しい年だと思っています」と話します。

JA阿蘇で始まった新米の出荷。阿蘇地方では約3300ヘクタールで作付され、初検査ではコシヒカリ約30トンが全て1等米となりました。

JA阿蘇は農家に支払う買取り価格を、1等米・60キロあたり1万3020円と発表し、そこに「安定供給加算金」として3000円から6000円を加えるとしています。

ただ、6000円が加算され、60キロ・1万9020円になったとしても、過去最高水準だった去年の3万3240円を1万4000円ほど下回ることになります。

立石翼さん「我々の作った米を、一粒でも多く食べていただくことが、私たちの生きがいになります。よろしくお願いします」

「新米のほうが安いんじゃない?」

熊本市中央区のスーパーです。店頭に並ぶ新米5キロが1999円(税抜)と2000円を切っています。

買い物をしていた人からは「すごいです。熊本県産で新米ですよ」「すごく安い。新米のほうが安いんじゃない?」といった声が聴かれました。

店側も意外だったようです。

みやはらZ南熊本店の橋本憲明店長は「衝撃的だった。ここまで下がるんだと」と語ります。

新米より古米の値段が高く

こちらのスーパーでは去年の同じ時期、同じ銘柄の新米の値段と比べると半額ほどになっているといいます。

さらに、奇妙なことが起きています。

みやはらZ南熊本店の橋本憲明店長「ここが令和7年度産です。逆転現象。新米が安くて、7年度産の古米が少し値段が高くなっている」

「新米」が下がった理由とは?

なぜ、ここまで新米の値段が下がったのか。その答えを求めて業者を訪ねました。

藤木米穀の藤木健太専務「ここは他の米屋さんから預かっているお米の倉庫になります」

倉庫に保管されていた新米100トンは「他の業者から預かったもの」です。

藤木米穀の藤木健太専務「新米の時期に『米を預かってくれ』ということはないが、去年の米が余って、保管するスペースが足りないから『預かってくれ』というのが多い」

備蓄米で在庫過剰に

背景にあるのは、去年産の在庫過剰です。

藤木米穀の藤木健太専務「備蓄米を放出してその分、米の供給がありすぎて、正直、新米を積極的に買う業者が少ない。みんな安く売ってきている」

農林水産省によりますと今年7月末時点の民間在庫量は162万トンで、前年に比べ2倍近くに膨らんでいます。

卸業者の本音は去年産を売り切らなければ、新米へ切り替えられません。

そのため新米の買い手が減り、結果として新米の価格も大きく下落しているのです。

藤木さんは、希望的な観測も含めて「希望としては2000円半ばくらいで、落ち着いていけば、お互い、生産者と消費者も納得いく価格になるのではと思うが」と話しています。