「ユウキを見てくれよ」フェルスタッペンは角田裕毅になぜケチ? F1緊急参戦から続く好走に飛んだ“悪意なき批判”が波紋「嫌悪感を隠そうとしなかった」

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レッドブルの絶対的エースであるフェルスタッペンは、チームメイトとして苦楽を共にした角田の走りを引き合いに不満を露わにした(C)Getty Images

「まるで首を絞められているかのような感覚」

 F1界の“現状”に異を唱えたカリスマドライバーの発言が波紋を広げている。

 物議を醸す発端となったのは、英公共放送『BBC』の独占インタビューに応じたレッドブルのマックス・フェルスタッペンの“F1評”だ。何かと歯に衣着せぬ発言で世間を賑わせてきた絶対的エースは、今季から導入されている新レギュレーションの影響力について「ユウキを見てくれよ」と言及。「決して悪意はない。僕の言葉を悪く受け止めないでくれ」と前置きした上で、こう続けた。

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「ユウキは(今季の)レーシングブルズのマシンを運転した経験が一度もなかったんだ。だけど、すぐに競争力を発揮してみせた。レッドブルのマシンに乗ったリアム(・ローソン)も同じだ。その理由は分かりきっているよ。両チームのマシンがドライバーの操作に対して鈍いからさ。

 もちろん、ドライバーは依然として、良いラップを刻む必要はあるし、全力を尽くす必要もある。最速のドライバーが常にトップに立つのは間違いない。だけど、僕らは本当に、本当に制限されている。まるで首を絞められているかのような感覚だ」

 レッドブルのメインドライバーであるアイザック・ハジャーの負傷離脱によって、オランダGPからレーシングブルズの一員としてF1参戦を果たしている角田。“復帰初戦”は11位と紙一重でポイントを逸したものの、2戦目のイタリアGPでは10位入賞。公式予選15位からの怒涛の挽回劇は称賛を集めた。

 もっとも、フェルスタッペンは、以前から電動出力への依存度が大幅に増している新型ハイブリッドエンジンが導入されているマシンに「ずっと簡単になった」と疑問を呈していた。長く覇権を握ってきた彼としては、ドライバーの技術力に依存しないマシンに思うところがあるのだろう。

 また、今季のフェルスタッペンは、いまだ優勝がない。最高位は、第8戦のオーストリアGP、第11戦のハンガリーGPで記録した2位だった。だからこそ、「このスポーツの歴史的に、最も果敢に攻め、ブレーキの踏み込みを遅らせ、アクセルを早く踏み込み、高速コーナーでも果敢に攻めるドライバーが報われてきたんだ」とも不満を募らせるのだろう。

スポット参戦が続く中で明確な結果を残している角田(C)Getty Images

英メディアでも疑問の声

 とはいえ、だ。チームメイトの好調が続く中で飛ばした“ケチ”は、波紋を広げた。

 英専門メディア『GP Blog』は「フェルスタッペンは、ツノダとローソンをF1全体が抱える問題の証と見なしている」と指摘。「決して悪意はない」とした本人言葉を引用した上で、「フェルスタッペンは、ユウキ・ツノダを引き合いに出し、現行のF1マシンがいかにドライバーの個々の運転技術による差を生む能力を制限しているかを説いた。その言葉は、彼の不満を明らかに露わにしている」と論じている。

 また、英紙『The Daily Express』は「フェルスタッペンは、『悪意はない』『侮辱ではない』としたが、チームメイトを巻き込み、従来のガソリンエンジンよりもバッテリーに依存するハイブリッドエンジンへの嫌悪感を隠そうとはしなかった」と発言がいかに辛辣なものであったかを強調。

 さらに英メディア『F1 Oversteer』も「すごく不自然だし、今のマシンは本来あるべき姿とはかけ離れている」とした本人のコメントを切り取った上で「以前よりもローソンやツノダとの差が大幅に縮まっている現状を不思議に思わずにいられないのだろう。相当なフラストレーションを隠しきれていない様子だ」と伝えている。

 絶対王者として昨今のF1界を支えてきたフェルスタッペン。そんなカリスマの飛ばした発言はやはり重い。しかし、裏を返せば、角田がインパクトのある走りができている証拠とも言える。

 すでに角田はハジャーの継続欠場が決まった現地時間9月11日に開幕するスペインGPへのスポット参戦も決まった。いまだ来季以降のF1キャリアが不透明な状況が続くだけに、発言力を持つフェルスタッペンに何を言われようと、淡々と結果でアピールすることだけが求められる立場は変わらない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]