【くら寿司】「ちいかわ景品横領」で“株価逆行安&出来高7.8倍”に! 2日間10%オフ実施も「割引されなかった」「客を舐めてる」など不満の声多数…“売上23%増”を失った影響と批判の背景

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くら寿司の「ちいかわ」コラボキャンペーンの景品が、配布の始まる前からフリマサイトに出回っていました。社内調査で従業員の不正行為が判明し、キャンペーンは9月6日に打ち切られました。翌7日の株価は2.53%下げました。   なお、同じ日の日経平均は2%以上上げていました。株価に何が起きたのか、そしてお詫びの10%オフがなぜ批判を呼んだのかを、本記事で順に見ていきます。

配布開始前に転売されていた「ちいかわ」コラボ景品

配布前日に出品されていた第2弾の景品

くら寿司は、8月21日から「ちいかわ」とのコラボキャンペーンを開催中でした。ところが9月2日、フリマサイトにコラボ景品を出品した人が、身内はくら寿司で働いていると読める書き込みをしていると、Xで指摘されます。大量出品の話とあわせて一気に広がります。
さらに、9月3日には「あのーもう売られてるんですけど」という投稿も拡散しました。報道によれば、キャンペーンの開始前に出品された景品もありました。
キャンペーン第2弾の湯呑みの配布は、翌9月4日から開始され、税込3000円の会計ごとにもらえるはずでした。
 

従業員の不正が判明し9月6日にコラボ中止

くら寿司は9月5日、従業員による不正行為が判明したとして、翌6日の営業開始からコラボキャンペーン全体を中止すると発表しました。報道では景品の横領と伝えられています。フィギュアや缶バッジ、コラボメニューまですべてが打ち切りとなりました。
続く9月7日には、警察への相談と、メルカリが不正入手の疑いがある出品の削除を進めていることも公表されました。

くら寿司の株価は9月7日に2.53%安、翌日には戻した

44円の下落より重い、日経平均との逆行

中止発表後、最初の取引日となった9月7日、くら寿司の株価は一時は1675円まで売られ、前日終値1740円から44円安の1696円で引け、下落率は2.53%となりました。
これは、金額だけなら「たった44円」に見えるかもしれません。
ところが同じ日、日経平均は2.12%上げています。市場全体が大きく伸びた日に、くら寿司だけが逆を向いたわけです。これは地合いのせいにはできない動きでした。
 

出来高は7.8倍、9月8日は1739円まで回復

9月4日の出来高は30万6500株でした。それが9月7日には238万2000株と、約7.8倍にまで膨らみます。下げ幅は小さくても、売買そのものは大きく動いていました。
翌9月8日は43円高の1739円で引け、騒動前の1740円とほぼ同じ水準に戻りました。日経平均が1.70%下げるなかでの上昇です。

2日間10%オフに「割引されなかった」の声が相次いだ理由

くら寿司は、お詫びとして、9月6日と7日の2日間、全品10%割引を実施しました。ところが、客から「割引されていない」「どこまで客を舐めているのか」という報告がXに相次ぎます。
原因は、割引の受け方が客に知らされていなかった点です。公式の告知は「レジにて全品10%割引いたします」とあるだけで、条件は何も書かれていません。
しかし、利用者の報告では、店員を呼んでバーコードを読ませないと割引されないとのことで、セルフレジだけで済ませた人には適用されない店舗がありました。
案内に貼り紙もなく、事実上の自己申告制だったという声も出ています。不満が広がり、お詫びのはずが2つ目の火種になりました。

9月11日の決算に今回の影響は出ない

くら寿司は、9月11日に2026年10月期の第3四半期の決算発表を予定しています。対象は5月から7月なので、8月のコラボキャンペーンや今回の騒動は、業績の数字には反映されません。影響が表れるのは、8月から10月を含む12月の通期決算です。
ちいかわコラボの集客力は強く、2024年のキャンペーンは、2024年3月に既存店売上高が前年同月比23.0%増を記録したことに大きく影響したと言われています。裏を返せば、今回のコラボキャンペーンを、期間を3週間以上を残して失った痛手は小さくないと思われます。
株価が2日で戻ったからといって、問題が片づいたわけではありません。景品管理をどう立て直すのか、10%オフへの批判にどう答えるのか。株価の動向については、そこを見てから判断しても遅くはありません。

まとめ

くら寿司の株価は9月7日に2.53%下げ、翌8日には騒動前の水準まで戻りました。下げ幅は44円ですが、日経平均が上げた日に逆行安となり、出来高は7.8倍に膨らんでいます。市場ははっきり反応していました。
お詫びの10%オフも、分かりにくい運用が新たな批判を招いています。炎上した企業の株は、値動きの大きさだけで決めず、その後の対応まで見届けてから動きたいところです。
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP