【吉沢 さりぃ】”年収に不相応なアルファード”を盗難された年収384万夫婦の地獄…多額のローンが残った「夫の一言」に妻が取った冷酷な行動

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山上サクラさん(28歳・仮名)は2025年の半ばごろまで、故郷である埼玉県の駐車場付きアパートに夫婦で暮らしていた。世帯の手取り年収は384万円と決して余裕はなかったものの、慎ましい生活を送っていたという。

そんななか、夫の強い希望により、2025年1月に義兄からトヨタの高級ミニバン「アルファード」の中古車を350万円で買い取る。夫婦で毎月5万円のローン支払いをすることになり、サクラさんは年収に不相応な出費に不安を抱いていた。

そして購入からわずか半年後、サクラさんの帰省中に、アパートの駐車場からアルファードが忽然と姿を消してしまう。

不相応な高級車をめぐり、2人の夫婦関係は徐々に崩れていく--。

前編記事〈「駐車場のアルファードがない…!」年収384万円夫婦、“不相応な車”が招いた「悲劇のはじまり」〉から続く。

駐車場に残されたタイヤ痕

「駐車場のアルファードがない」と焦る夫とは対照的に、帰省中で現場を見ていないサクラさんにはまだどこか現実感がなかった。「まずは保険会社と警察に電話したほうがいい」と彼を落ち着かせ、二度寝をしたそうだ。

昼過ぎに起きて携帯を見てみると、夫から大量の着信が入っていたという。

「すぐに警察が何人か来てくれたみたいです。駐車場をよく調べたらタイヤを引きずったような跡があって、彼らが言うには『おそらくレッカーで引いていったんじゃないか』と。結局、こういう犯罪はクルマ自体の転売ではなく、クルマを分解して中の部品を海外に売るのが目的らしいんです。被害届と盗難届は出しましたが『あとは追えないと思います』と警察もドライな対応でした」

当時夫婦で住んでいた埼玉のアパートに駐車場は付いていたものの防犯カメラなどは一切なかった。警察も「ちょっと不用心だよ」と苦言を呈していたようだ。

「しかも夫はなぜかクルマのダッシュボードに実印や通帳、社員証も入れていた。『ちゃんと市役所にも行きなさい』と警察に言われたと聞いて、あまりに情けなかったです。ついでに私が推しているアイドルの初回限定のCDもクルマの中だったのでショックでした」

保険料をケチった代償

とはいえ、自動車保険に入っているし問題ないだろうとサクラさんはそこまで気に留めていなかった。だが、夫との会話のなかで驚くことが判明する。

「任意保険には入っていたんですが、車両保険に入っていなかったんです……。月々の保険料が高くなっちゃうし、中古車だから不要だと思っていたらしくて。その頃はテレビでもアルファードやランクルの盗難のニュースが何度も流れていました。中古車とはいえ、当然つけていると思っていたのに……。350万円ですよ?アホすぎる」

それに加え、クルマのローンはまだ半年しか払っておらず、夫の兄に対する支払いはあと320万円残っていた。

「夫は『兄貴だし許してくれるだろ』とか楽観的なことを言っていましたが、お兄さんには激怒されていました。『中古屋に売っていたらあと300万円以上入るはずだったんだから、その分は必ず払え!』と。夫の両親も『あんた、何で保険入ってないのよ』と呆れ気味でした」

アルファードはなくなり、夫婦には月々5万円のローンだけが残った。そんな状況にもかかわらず、アパートから職場まで距離のある夫はサクラさんに新しいクルマを買おうと持ちかけてきたという。

「残りのローンを2人で払いつつ、新しいクルマも頑張って買うつもりだったらしく『これなんてどう?いま払っている月々5万円+1万円くらいで買えるよ』と普通に言ってきました。いやいや、もうさすがに付き合いきれないわと思って、『別れたい』と伝えたんです」

「この人はヘマを繰り返す」

サクラさんはローンがさらに増えることも苦痛だったが、なにより夫の危機管理能力のなさに心底呆れたという。

「そもそも安いアパートの駐車場に、盗まれやすいミニバンを置いといて盗難対策はゼロ。犯罪者からしたら好都合すぎませんか?この盗難の前だって何度も鍵をかけ忘れていたし、ケチって車両保険にも入ってない。この人と長く一緒にいたら、今後もこういうヘマを繰り返すって確信しました」

ただ、そんなにあっさり離婚を決めてもいいのだろうか。

「埼玉県の田舎ってこういう人ばっかりですよ(笑)。勢いで結婚して、嫌だったらすぐに離婚する。友達もバツイチが多いですし。私の場合は、子どもをまだ作っていなかったので余計に決断が早かったのかもしれません」

夫はどうしても別れたくなかったようだが、サクラさんの決意は固まっており「彼が仕事中、アパートに離婚届を置いて出ていきました」と当時を思い出し笑った。

「彼は手取り18万円なのに盗まれたアルファードの残金と7万8000円の家賃を毎月払わなければいけない。さすがに積んでますよね。しばらくして、私に引っ越し費用を請求してきましたが無視しました。結局、新車は諦めて自転車で通勤していたみたいです。

私の父親は『なんで車両保険入ってなかったんだろうな』といまだに酒の肴にしていますし、母親は『盗まれたクルマのローンを抱えるなんてあり得なかったわよ』と離婚したことに安堵していました」

高級車を所有するなら、その価値に見合った保険や盗難対策も必要になる。ましてや、ローンを組んで購入するのであれば、万が一そのクルマを失ったときのことまで考えておく必要があるだろう。

サクラさんにとって今回の一件は、将来のパートナーになるはずだった人間の金銭感覚や危機管理の危うさを知る良い機会にもなった。そういう意味では、“不幸中の幸い”だったと言えるのかもしれない。

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