【竹輪 次郎】歌手・ASKAがファンを困惑させる投資トラブルを起こしていた キルギスの仮想通貨取引所にファンを誘導…

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ASKAが紹介した仮想通貨をきっかけとして、長年寄り添ったファンが揉め始める大騒動が起きている。そこには、推し活の思わぬ罠があった。

被災地に「オゾン水生成器」を持ち込んで

8月中旬、大地震が起きた熊本県内の避難所に「ある機器」が複数持ち込まれた。

唐突にやってきた来訪者が「水道水を通すことでオゾン水を生成する装置だ」と説明をするも、その効果も必要性もわからない現地住民は困惑するばかり。避難所の受付は「現場では対応できません。市の窓口に行ってください」と、説明するのに追われた。

至極真っ当な対応だが、ある大物有名人が自身のファンクラブサイト内のブログで〈(筆者注:避難所は)個人の判断で動けない。これは縦割りが良くできた日本社会の良さでもあるのだけれど、緊急事態には流れを堰き止めてしまう〉と、不満を表明した。

投稿主は、歌手のASKA(68歳)。このオゾン水生成器は、彼が開発に携わったという商品(税込み5万5000円)だった。ちなみに医療機器の認定は受けていない。

楽曲よりもビジネスに注力

ASKAといえば、デュオ「CHAGE and ASKA」として、『SAY YES』や『YAH YAH YAH』など、ダブルミリオンを記録する大ヒット曲を次々と放った国民的スターだ。

本人のブログを見てみると、近年は楽曲よりもビジネスに精を出しているらしい。このオゾン水生成器に関する紹介も頻繁に行われていた。ほかには「キルギス共和国に日本人を移住させたい」などと、怪しげな投稿も散見される。

その賛否は置いて、聞き捨てならない情報が筆者のもとに入ってきた。ASKAが自身のファンクラブサイトで紹介した「仮想通貨」をめぐり、トラブルが起きているという。大枚をはたいて彼の推す仮想通貨を購入したものの、投資先から返金されないファンが続出しているのだ。

伝説の生命体「ソマチッド」とは

40年来のファンだという森田重信さん(仮名、51歳)はこう痛切な思いを口にする。

「小学生の時から追っかけています。姉と一緒に聴いていた光GENJIの楽曲も、ASKAが数多く手がけたと知って益々好きになりました。「あの報道」を知ったときは絶望しましたが、青春時代のヒーローであったことは変わりません。だからこそ今までファンであり続けていました」

ファンが明言を避ける「報道」とは、'14年に起きた覚醒剤取締法違反での逮捕である。愛人との不倫スキャンダルも重なり、一世を風靡したスターの転落は連日ワイドショーと週刊誌をにぎわせた。結果、ASKAは懲役3年・執行猶予4年の有罪判決を受ける。

それから'18年にファンクラブサイト「Fellows」を開設。普段は音楽制作や日常で感じたことを発信するのだが、ファンとの交流の場としてもASKAは重宝していた。掲示板のような機能もあって、ファンたちがつけたコメントにASKAが返すことも珍しくない。その距離感の近さが好評を博し、サイトには往年のファンが押し寄せた。

だがASKAは次第に、ファンたちにオススメの商品を紹介するようになる。前述のオゾン水生成器だけではない。他には不老不死の生命体「ソマチッド」を、体内に摂取するべきだと勧めてもいた。

〈伝説の生命体『ソマチッド』はいます。『不老不死』の生命体なんです。コロナワクチンによって書き換えられたDNAコードを、元に戻せるのではないかという期待を寄せています。これを飲んだ『リウマチ患者』や『骨粗しょう症患者』などが回復した例がたくさん報告されてる〉(ファンクラブ会員限定サイトより。以下〈 〉内はサイト内から抜粋)

ASKAと関係の深い会社では、ソマチッドを100gあたり6600円で販売している。この「ソマチッド」なる生命体について科学的に証明された論文は筆者が探した限り見当たらない。

キルギスの仮想通貨取引所にファンを誘導

そして、のちに問題となる仮想通貨についてASKAが言及を始めたのが'23年だ。

この時期、ファンクラブの記事に「大ちゃん」なるタニマチの名前が頻繁に出るようになった。元々「CHAGE and ASKA」の大ファンだという大ちゃんは、潤沢な事業資金を背景に、ASKAのライブの協賛を始める。

彼のサポートが功を奏し、ツアーの規模は全国に広がったという。たとえば'24年に行ったツアーは、'22年よりも開催地の数が2倍に増えている。

それからASKAは、大ちゃんが手がける仮想通貨「GEAr(ギア)」を何度も紹介するようになったのだ。

〈日本の銀行にお金を入れておいてはいけない〉

そう言って、中央アジア・キルギス共和国に置かれている仮想通貨の取引所に、資金を入れるように勧めた。

〈『現在、仮想通貨は世界で数千種類ある。しかし、そのうち国が介入してくる。最終的に残るのは数社(数コイン)』 そのとおりになってきます。3-5社しか残らないんじゃないかな。GEArは大丈夫〉

【後編を読む】ASKAが推す仮想通貨の「投資トラブル」巡ってファン同士が大揉め!「元金の返金がされず困っています」

取材・文/竹輪次郎(ちくわ・じろう)/民放テレビ局で20年以上にわたって報道企画に携わってきた記者・ディレクター。性犯罪や経済事件を追い続けている

「週刊現代」2026年9月14日号より

【後編を読む】ASKAが推す仮想通貨の「投資トラブル」巡ってファン同士が大揉め!「元金の返金がされず困っています」