大和ハウス工業の公式サイトより

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大和ハウス工業が新築の戸建住宅事業を再編し、北海道や東北など23道県で新規販売から撤退することが明らかになった。日本経済新聞は3日、大和ハウスが注文住宅販売を5000万円以上に限定すると報じている。

大和ハウスは営業拠点の廃止によって、人員を東京や大阪などの都市部に集中的に配置する。高付加価値化へとかじを切った形だ。

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2027年3月期第1四半期決算によれば、大和ハウスの戸建住宅事業の売上高は全体の2割を占めている。売上構成比率においては商業施設事業と大きく変わらないものの、営業利益率は戸建住宅が3.4%で、商業施設が11.3%だ。国内の住宅は資材やエネルギー、人件費の高騰で利益が出にくくなっている。地方からの撤退により、採算性を重視する姿勢が鮮明になった。

注文住宅は市場の伸びしろが失われている業界でもある。野村総合研究所は、2021年の新設住宅着工戸数は87万戸で、2030年は80万戸、2040年は61万戸まで減少するとの予想を出している。少子高齢化で市場は緩やかに縮小するとの見方だ。

消費者の注文住宅の購入意欲は依然として高い。SUUMOの「住宅購入・建築検討者調査(2025年)」によると、検討住宅種別で「注文住宅」との回答は2025年が58%、2021年が54%、2019年が57%だった。大きな変化が見られないのだ。

しかし、ハウスメーカーでは異変が起こっている。中価格帯の総合的な注文住宅を販売する、一部の会社の業績が振るわないのだ。

「999万円の家」で人気化した会社

タマホームは2026年5月期の受注実績が7195棟。前期比で2%超減少しており、受注金額も約4%減少している。「檜の家」などを扱う日本ハウスホールディングスも苦戦しており、2026年3月期の住宅事業は18%もの減収だった。展示会のWeb予約数は1371件で、前の年と比べて43%(1015件)も減っている。

飯田グループホールディングスは2026年3月期の販売棟数が3万6989棟、前期比4%の減少だ。

一方、「999万円(税込)の家」などを販売するアイダ設計における注文事業の2026年3月期の売上高は、同36%の増加だった。低価格帯商品の販売が堅調に推移しているという。戸建に強みを持つオープンハウスが好調なことや、タマホームも戸建は堅調に推移していることからも、ローコスト住宅は底堅い需要があるとみられる。

戸建住宅は大和ハウスや積水ハウス、住友林業などの高級注文住宅と、ローコスト住宅の二極化が進んでいる可能性が高い。中価格帯のハウスメーカーは一条工務店のような高性能というわかりやすい差別化要因がない場合、中長期的に苦戦する可能性がある。

そうした中で、注目を集めているのが中古住宅のリノベーションだ。中古住宅を取得してリフォームし、販売するというビジネスモデルのカチタスは、2026年3月期の販売件数が8380件で前年比14%の増加だった。売上高は17%伸びている。

日本では空き家問題が深刻化しているためか、カチタスでは仕入件数も堅調に推移している。カチタスの売上高を販売件数で割り、1件当たりの単価を出すと、約1812万円。立地条件が良く、住みやすい形にリフォームされているのであれば、住宅購入検討者にとって魅力的な価格に映るようだ。

消費者の意識も変わりつつある。先ほどのSUUMOの調査では、検討種別において「中古一戸建て」の回答は2025年が31%だった。コロナ禍で木材価格が高騰する前の2019年は22%である。9ポイントも上昇しているのだ。

インフレは「そこそこのものを、そこそこの値段で」という消費者意識を変えつつある。価格が上がっても選ばれる付加価値を持つ戸建てか、徹底して価格を抑えた戸建てか。住宅業界にも、その二極化の波が押し寄せているようだ。

文/不破聡 内外タイムス