写真に収まる(左から)山本昌邦ナショナルチームダイレクター、大岩剛監督、宮本恒靖会長

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◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 W杯が幕を閉じ、サッカー界は新たなサイクルへと動き出した。9月にはアジア杯までの任期延長が決まった森保一監督率いる日本代表も再始動する。しかし、胸のすみに残るモヤモヤとした思いをぬぐい去ることができない。「半年間の森保監督続投」、そして「大岩剛監督への移行」は、日本がW杯優勝を目指すためのベストな選択だったのだろうか。

 森保監督や大岩監督の手腕を疑問視しているわけではない。本来なら、北中米W杯での結果を評価・検証した上で、続投か交代かを慎重に判断すべきのはず。しかし、日本協会の宮本恒靖会長は「W杯の結果を見て判断するのは難しい」と明かす。現実問題、優秀な外国籍監督は世界中で争奪戦だ。大会終了後に検証を始め、そこから世界トップクラスの指導者を招へいするだけの猶予がなかったのも事実だ。

 とはいえ、W杯前に大会へ全てを懸けている監督やチームの真価を評価することは不可能だ。大会前に次期監督を決めるとなれば、W杯の成績とは異なる「別の評価軸」が必要になる。そこが不鮮明なまま決定が下されたことこそが、いま感じているモヤモヤの正体ではないだろうか。

 実際、宮本会長自身も「代表チームをどう評価するか、サッカークラブの強化部のような機能が必要かなと思いました」と語っている。日本がW杯で頂点に立つためには、さらなる進化が必要ということは、32強に終わった今大会でも痛感した。そのための努力や検証を、監督や選手という「現場」だけに背負わせてはならない。振り返る間もなく、次のW杯へカウントダウンは始まっている。

 ◆金川誉(かながわ・たかし) 2005年入社。サッカーW杯は4大会取材。