中国人男性の革靴離れ-中国メディア
中国メディアの中国新聞週刊は30日、「中国人男性の革靴離れ」とする記事を配信した。
記事によると、映画やテレビドラマでは、パリッとしたスーツに磨き上げられた革靴を合わせたスタイルが、ビジネスシーンにおける男性の典型的な装いとして描かれる。しかし現実には、フォーマルな革靴を敬遠する中国人男性が増えている。
中国を代表する革靴メーカー、奥康国際では、紳士靴がビジネスポートフォリオの60%超を占めている。2022年から4年連続で赤字を計上し、累積赤字は9億元(約214億2000万円)を超えた。26年上半期決算は、売上高が前年同期比28.88%減の7億6900万元(約183億220万円)、純利益が1757万4300元(約4億1826万8340円)と、4年続いた赤字に終止符を打ったが、経常外損益を差し引いた後の純利益は660万7000元(約1億5724万6600円)の赤字となった。
これは奥康に限ったことではない。2019年には富貴鳥が経営破綻し、紅蜻蜓は24年から2年連続で赤字を計上した。中国ではかつて、革靴を履いていることが立派な人物であることの証しだった。ではなぜ、中国の男性は今、革靴を履くことを敬遠しているのか。
その理由の一つとして、記事は職場の服装スタイルの変化や人々のリラックスしたライフスタイルへの追求を挙げる。ビジネスカジュアルスタイルが徐々に主流となり、スニーカーはフォーマルな場面でも「新たな定番」となっているという。ビジネス界の大物たちが重要なイベントでスニーカーを履いていることがその好例だ。ティム・クック氏はアップルの発表イベントでゼニアのトリプルステッチ・スリッポンスニーカーを履き、メディア王ルパート・マードック氏は5度目の結婚式でオールブラックのHOKAスニーカーを履き、ジャック・マー(馬雲)氏はアリババの杭州キャンパスにロロ・ピアーナのフレクシー・ウォーク・スニーカーを履いて登場した。
iiMedia Researchの最高経営者(CEO)兼チーフアナリストである張毅(ジャン・イー)氏によると、12年の業績ピークを境に下り坂となった奥康が最初にとった解決策は、SkechersやPumaなど国際的なスポーツブランドの代理店として第二の成長曲線を描くことだった。しかし予想通りには展開せず、25年末までに奥康のSkechers店舗はすべて閉鎖され、Puma店舗は7店舗を残すのみとなっている。奥康がスポーツブランドの流通モデルで成功しなかったのは、従来の革靴卸売りの古い考え方でスポーツビジネスをしようとしたためだという。奥康はまた、24年末に半導体業界への進出を目指し、メモリチップメーカーの株式取得計画を発表したが、半月後に「取引条件に関する合意に至らなかった」ため頓挫した。26年には別の大型資産買収も計画したが1週間後に中止となった。
張氏によると、90年代生まれの世代が大量に労働力に加わり、主要な消費勢力となるにつれ、また企業が職場の服装規定を緩和し続けるにつれ、ビジネスシーンはよりカジュアルになりつつある。現代の男性は靴を購入する際、快適さと社会的認知、そして象徴的な地位を重視するようになっている。かつて革靴は富と地位の象徴だったが、今では靴はよりライフスタイルを象徴するものとなっている。結婚式や会議、一部の官公庁など、革靴に対する根強い需要があるビジネスシーンは依然として存在する。しかし日常の通勤においては、快適さとシンプルさを兼ね備えたカジュアルシューズが優先される傾向にあるという。記事は、30年以上にわたるサプライチェーン、製造プロセス、ユーザー基盤を蓄積してきた奥康は、理論的にはまだブレークスルーを果たす条件を備えていると言えるとし、奥康の試練は、この時代における国内の伝統的な革靴産業全体に共通するものだと述べた。(翻訳・編集/柳川)

