【日本人メジャーリーガー通知表】文句なしの大谷翔平に山本由伸…最新指標で見る「侍たちの真価」
侍メジャーリーガー活躍中
3年連続の世界一を狙う″ドジャース三人衆″に、日本人の新人本塁打記録を更新したルーキー二人組--。今年のメジャーリーグは、日本人選手たちの活躍が目覚ましい。ワイドショーでは連日、侍たちの豪快なホームランや奪三振シーンが映し出されるが、彼らの実力は、それだけで測ることはできない。
FRIDAYは、野球のデータ分析や運用を行う『株式会社DELTA』のアナリスト・宮下博志氏の協力のもと、侍メジャーリーガーたちが残した成績を最新指標で徹底検証。主観を排除し、「打率」や「勝ち星」といった従来の成績にとどまらない評価軸で、「侍たちの真価」を示すS~Dまでの″通知表″を作成した。ドジャースの大谷翔平(32)から見ていこう(以下、発言は宮下氏)。
大谷翔平(32)【ドジャース】総合評価 S
「一人の選手が控え選手に比べてチームに何勝分貢献したかを示すWARが、投打合計で7となっています(数字は8月25日時点、以下同)。これはナ・リーグ2位の数字で、文句なしのS評価です。一方で、気になるのが本塁打の減少。昨年に比べて平均のスイングスピードが約1.1マイル(約1.8km/h)落ちています。二刀流出場による身体への負担軽減のためにあえて出力を落としているのかもしれません。
ただ、FastSw%(75マイル、約121km/h以上の強いスイングの割合)は開幕直後に比べて上昇しています。追い込まれる前に積極的に強くスイングをすることで、長打力を取り戻している可能性が考えられます。結果として、6月以降、ISO(長打率から打率を引いたもの)が上昇しており、.259とリーグトップクラス。徐々に本塁打が増えてくる可能性も考えられます」
山本由伸(28)【ドジャース】総合評価 A+
チームメイト・山本由伸(28)は開幕以来驚異的なピッチングを続け、ここまで12勝、防御率2.61をマーク。だが、惜しくも評価はA+だという。
「投手に関する重要指標のK%(対戦打者数に対する奪三振の割合)が、昨年より約4.5%落ちて約24.9%に。球速自体は今年のほうが上なのですが、対戦回数が増えたことで打者に対応されている可能性があります。K-BB%(奪三振数から与四球数を引き、それを対戦打者数で割ったもの)も微減。ただし、K-BB%は改善しています。ピンチの場面での奪三振が今後の課題になりそうです。とはいえ、リーグの平均的な投手よりははるかに良い数字を残していますよ」
メジャーへの順応
佐々木朗希(24) 【ドジャース】総合評価 C
佐々木朗希(24)の前半戦評価はDだったが、後半戦に復調し、ランクを一つ上げCにした。
「防御率が5点台だったシーズン序盤、佐々木のフォーシームの平均球速は約97マイル(約155km/h)程度で、MLBでは並の域を出ない数値でした。ところが後半戦は、平均98~100マイル(約158~161km/h)を記録することもあり、球威が戻っています。ただ、最も数値が良かった5月に19.3%を記録したK-BB%は、8月に8.6%と落ち込んでいる。コマンド力向上がカギです」
岡本和真(30)【ブルージェイズ】総合評価 B+
昨年、ドジャースとワールドシリーズを戦ったブルージェイズの新人・岡本和真(30)は、B評価。
「ここまで打率.229ながら大谷のルーキーイヤーを超える26本塁打をマークできている理由は、Barrel%が12.7だからです。この数値は、長打になりやすい打球速度(Exit Velocity)と打球角度(Launch Angle)の組み合わせ、通称『バレルゾーン』にいかに打球を飛ばせているかを表します。岡本はとくに引っ張り方向の打球に角度をつけるのが上手く、メジャー平均を上回っている。
一方、日本最終年には約10%だった三振率が、約30%に上昇。メジャー投手の速球に反応するべく、引っ張り方向を意識している副作用かもしれません」
村上宗隆(26)【ホワイトソックス】総合評価 A
同じくルーキーで、ここまで29本塁打を記録しているホワイトソックスの村上宗隆(26)は、岡本を上回るBarrel%20.1を記録。A評価だ。
「村上の場合、Hard Hit%(速度95マイル、約153km/h以上の強い打球を放った割合)が58.3と、メジャー屈指の数値を叩き出しています。また、BB%(打席数に対する四球の割合)も最上位の16.9。現時点では、岡本より村上がメジャーに順応しています」
『FRIDAY』2026年9月11・18日合併号より
