BASE公式サイトより

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8月28日、SBIホールディングスがEC作成サービスのBASEに対し、公開買付の開始を発表。8月31日から9月30日までの間に、最大でBASEが発行する株式の20%を取得するという。20%を取得すれば、創業者で代表取締役の鶴岡裕太氏(6月30日現在、16.15%保有)らを抜く大株主になる。

BASEは、2025年にPC周辺機器メーカー大手バッファローの牧寛之社長より、公開買付を仕掛けられた。牧氏はBASEに対する支配権の獲得にこだわったこともあり、BASEの経営陣と対立した。

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最終的に牧氏は21%超の株式を取得したが、目標の30%には届かなかった。両社は対話を重ね、結果としてSBIとの資本業務提携、公開買付へと至っている。

SBIは25%を超える買い増しを原則として行わないという条件を設定。また、15%以上保有することを念頭に置いているものの、BASEの代表取締役である鶴岡氏が取締役または従業員の地位を喪失した場合はその限りではない旨が明記されている。SBIはBASEの筆頭株主になるが、子会社化ではなく持分法適用関連会社という位置づけになる。

つまり、SBIはBASEの支配権を獲得することが目的ではなく、鶴岡氏を主体とした経営の自主性をそのまま残したのだ。これはSBIが掲げる「ネオメディア生態系」にピタリと当てはまる。

「ネオメディア生態系」とは、エンターテインメント事業とマーケティング事業にSBIが得意とする金融を融合させるという戦略的構想で、日本のIPとコンテンツを核とする新たなビジネス構想である。

提携相手の成長が鈍化

SBIは「ネオメディア」のため、既に複数の企業と資本関係を築いている。ゲームセンター「GiGO」運営のGENDA、配信サービス「ツイキャス」のモイ、「株探(かぶたん)」と「ライブドア」を展開するミンカブ・ジ・インフォノイド、モバイルゲーム運営のgumiなどだ。

フジ・メディア・ホールディングス、VTuber事務所「ぶいすぽっ!」のBrave groupに対しても、資本参加に向けた協議をしていることを明かしている。

SBIは銀行や証券、保険だけでなく、暗号資産までもカバーする金融コングロマリット(複合企業)である。コンテンツやIPでファンを魅了、決済機能を充実させてグッズ販売・イベント・動画配信の投げ銭などをつなぐ巨大プラットフォームを形成しようとしているようだ。

政府は2033年までに、日本発コンテンツの海外売上を20兆円とする目標を掲げている。現在は6兆円程度であり、今後の産業の活発化には期待ができる。SBIは成長期待が高い領域に本格参入しようとしているのだ。

ただ、「ネオメディア生態系」に対しては危うさがあるのも事実だ。資本関係を構築した企業群が相互作用によって成長軌道を描けるのかという問題がある。

例えば、gumiは2022年にSBIと資本業務提携した。狙いの一つが、ブロックチェーンゲームの拡大だ。SBIは暗号資産の取引所を運営しており、gumiがブロックチェーンゲームのヒット作を出し、トークンの取引が活発化すれば大きなシナジー効果を創出できる。

しかし、2025年10月にサービスを開始したブロックチェーンゲーム「BRAVE FRONTIER VERSUS」は、今年の6月にサービスを終了している。現状、大きなシナジーを生むヒット作は出ていない。

モイやミンカブ・ジ・インフォノイドなども、成長の鈍化が見え始めている。「ネオメディア生態系」の中で成長できる青写真が描ければいいが、具体的な姿が見えてこないのだ。

SBIが先駆的な取り組みを進めているのは間違いない。一方で、この壮大な構想を具体的に進める仕組みづくりが必要になっているように見える。

文/不破聡 内外タイムス