「被災したのに光が当たらない」ふるさと納税による被災地支援 自治体に大きな格差
熊本地震の被災地を支援しようと、全国からふるさと納税を通した善意が寄せられています。
被災地支援を目的としたふるさと納税を仲介する3つのウェブサイトには、楽天ふるさと納税に約7億7000万円、ふるさとチョイスに約6億6000万円、さとふるに約4億7000万円が熊本に寄せられています。
他にもふるさと納税のサイトがありますから、相当な金額になります。
一方で、自治体によって支援の額に大きな開きがあるのも現状です。被害の実情が十分に伝わっていないと懸念する地域もあります。
亡くなった人はいないものの、家屋の被害は甚大で、り災証明書の受け付けは1100件をこえています(1日時点)。
(美里町総務課防災交通係 増永和浩係長)
「中央北地区でり災の約7割程度、6~7割程度がここに集中しているという認識。パッと見ただけじゃ倒壊とわからないが、とても住めるような状況じゃない被害を受けている」
美里町の馬場地区では、約300棟ある住宅の半数以上に建物倒壊の「注意」や「危険」を示す紙が貼られています。役場に公費解体と仮設住宅の申し込みに来たという男性は。
(仮設住宅の申し込みに来た人)
「(解体は)200万円、300万円かかる。ちょっと厳しいので公費解体だけでも助かる。(仮設住宅は)申し込みはしたけど、確定じゃない。住めないとなったら、また考えないといけない」
町によりますと、52世帯の仮設住宅を現在建設中です。すでに40件あまりの申し込みがありますが、入居開始は10月上旬の見通しだということです。
一方で、美里町が頭を悩ませているのが、ふるさと納税を通した財源の確保です。これまでに2143万円の寄付金が集まっていますが、被災した他の自治体では5億円を超えたところもあり、大きな開きがあります。
(美里町 吉住慎二副町長)
「皆さまの善意ですから、多い少ないという話はあまりしたくないが、取材が(一部の自治体に)集中することで、(被害の)発信力が美里町と全然違う。生活再建に向けて大変な思いをしているんだと、私たちも発信していかないといけない」
国の支援の対象外となるインフラの復旧は、町の財源で賄う必要があります。
しかし、いまは貯金にあたる基金を切り崩している状況で、ふるさと納税による支援は貴重な財源です。
(美里町 吉住慎二副町長)
「国や県の支援が届かない見えないところに、皆さまからの寄付金を活用させていただきたい。被災を受けたのに光が当たっていない地域もあるんだと全国の方に知ってほしい」
【スタジオ】
「光が当たっていない」と、被災した自治体に言わせてしまったこと自体、私たちメディアが重く受け止めることだと思います。ふるさと納税は、復旧を支える貴重な財源です。善意を寄せる先は人それぞれですが、まだ十分に支援が届いていない地域にも目を向けていただきたいです。
