感謝の心を忘れずに……『ホンジャマカ』石塚英彦が奈良・吉野で出会った「青い仏さま」から得た知見

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「青い仏さま」に会いたくて

みなさんごきげんよう。 世の中で一番嫌いな漢字は何? と聞かれたら「暑」と答えます。石塚英彦です。

さて今回は、私にとっての特別な場所について書かせていただきます。

みなさんは以前、JRのテレビコマーシャルの吉野編に登場した「青い仏さま」をご覧になったことがありますでしょうか。私は家族とその映像を見て衝撃を受けました。以来、家内はなぜか、その仏さまを「青い人」と呼んでいます。

絶対にお会いしたい--調べると、その「青い仏さま」は、奈良県吉野の山にある「金峯山寺(きんぷせんじ)」にいらっしゃる「金剛蔵王大権現(こんごうざおうだいごんげん)」だということがわかりました。

「青い仏さま」は釈迦如来、千手千眼観世音菩薩、弥勒菩薩の三体あること、青色は天然石のラピスラズリを使ったとされることも判明しました。

仏さまはいつでもお会いできるわけではなく、年に2回、御開帳されるときにしかお目にかかれません。家族で休みを合わせ、みんなで一緒に行こうと約束しましたが、次の日に家内が「友達と見に行ってくるから」と言ってきました。約束なんてそんなものです。

家内が奈良から帰り、「青い人、どうだった?」と聞くと、「すごかった」と一言。小学生の感想文以下です。

家内はさらに、「脳天大神(のうてんおおかみ)」という頭脳の守護神の所にも行って来たそうです。金峯山寺蔵王堂から500段ほど階段を降りたところにいらっしゃるのだそうです。家内は以前、脳梗塞を患った経歴があるので行きたかったのでしょう。

夢にまで見た仏さまといよいよ対面

それから2年ほど経った頃、やっと家族で奈良に行くチャンスが。秘仏の御開帳と、私の休みが合致したのです。家内も「脳梗塞の経過が順調なのでお礼参りがしたい」と言います。季節は秋でしたが、脳天大神への階段が500段と聞いていたので、着替え用のオーバーオールを用意していざ奈良へ。

京都駅から近鉄特急に乗り、吉野駅に降り立ちました。通常、金峯山寺へは吉野駅からロープウェイで行くのですが、その日は宿の車が迎えに来てくれていました。金峯山寺に一番近い宿「吉野荘 湯川屋」さんを家内が予約してくれていたのです。途中、若旦那さんの吉野トークを楽しんでいたら宿に到着。けっして大きくはありませんが、優しいアットホームな宿でした。

日が暮れる前に宿に戻りたいので、スーツケースを部屋に置いてすぐに出発。さすが金峯山寺に一番近い宿、わずか5分で寺に到着しました。

礼をして本堂にお邪魔すると、夢にまで見た三体の金剛蔵王大権現さまが険しいお顔で参拝者たちを見下ろしています。今までにお会いしてきた仏さまとはまったく違います。聞けば、「殺伐とした時代を変えるために目を覚ましなさい」ということを伝えるために、険しい顔をされているそうです。体中の血液を入れ替えていただいたような気がしました。

本堂を出て、脳天大神へ。案内の矢印に従い、山を少しずつ下って行くと目的地に到着。家内の回復に感謝し、「ありがとうございました」と手を合わせました。ここ数年、感謝の気持ちを忘れていた気がします。来て良かった--そう思ったのも束の間、振り返れば500段の登り階段が待ち受けています。テレビ番組の罰ゲーム以外で、こんなに汗をかいたのは初めてでした。

みなさんも、奈良の吉野へ行って「心の換気」をしてみてください。階段のせいで汗をかくので、オーバーオールは2着必要です。

『FRIDAY』2026年9月4日号より

文・イラスト:石塚英彦

’62年、神奈川県生まれ。恵俊彰とのコンビ「ホンジャマカ」で活動、「元祖!でぶや」(テレ東系)などのバラエティに加え俳優や声優としても活躍。現在、「よじごじDays」(テレ東)の金曜MCとして出演のほか、YouTubeやInstagramにも注力している