ネパール土石流、原因は2キロにわたる氷河や岩の崩落か…専門家「温暖化による洪水の実例が現れてしまったかもしれない」
ネパールと中国の国境地帯で26日に発生した大規模な土石流について、衛星画像分析が専門の渡邉英徳・東京大教授は、氷河や岩が幅約1キロ・メートル、長さ約2キロ・メートルにわたって崩落したことが原因になった可能性が高いとする分析結果を明らかにした。
土石流は標高差約4600メートル、直線距離で70キロ・メートル以上を猛烈な勢いで流れ下ったという。

渡邉教授は米国の地球観測衛星などが撮影した土石流発生前後のデータを3D化して分析した。標高約5000メートルの地点で、氷河や岩が大規模に崩落したことで土壌がむき出しになっていることを確かめた。渡邉教授は「この氷河が崩れたことがきっかけとなり、大量の氷や岩が土砂を巻き込みながら流れていった」と推測する。米地質調査所(USGS)によると、氷河崩壊で、マグニチュード(M)5・2の地震に相当するエネルギーが発生した。
土石流は、谷筋に沿って流れ下り、周辺の集落をのみ込んでいった。土砂が川岸から斜面を約700メートル上っている箇所もあった。渡邉教授は「かつてない災害だ。地球温暖化で氷河が崩れて洪水が頻発すると言われてきたが、実例が現れてしまったのかもしれない」と話した。
