金正恩委員長との直接取引狙うトランプ大統領、口で「非核化」6回崩した
トランプ米大統領の口と指が小さくは韓半島(朝鮮半島)、大きくは北東アジアの安全保障地形を揺るがしている。交流サイト(SNS)のメッセージ1行で韓米合同演習を大幅に縮小してしまった彼は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に向かって北朝鮮の核を事実上容認するメッセージを相次いで送った。血盟としていた韓米同盟は北朝鮮との直接取引に動員される「クーポン同盟」に転落した様相だ。専門家の間では「北朝鮮の核保有既定事実化→韓国内の核武装論刺激と北朝鮮の誤判断→朝米間で韓国安全保障事案取引→韓米同盟亀裂」のドミノが現実化しかねないとの懸念が出ている。
◇トランプ氏の口で6回崩れた北非核化
中央日報が昨年1月の第2次トランプ政権発足から今月23日までのホワイトハウスの記者会見とトゥルース・ソーシャルの投稿を全数分析した結果、トランプ大統領は24回、月平均1.4回の北朝鮮関連メッセージを出した。このうち25.0%の6回は、「核戦力(nuclear power)」が3回、「大きな核国家(big nuclear nation)」が1回、「核武力(nuclear force)」が1回、「核兵器(nuclear weapons)」が1回など北朝鮮の核保有を既定事実化するような表現だった。
就任初日に金委員長を「核保有勢力(nuclear power)」と言い、今年4月には韓国を狙って「核武力のすぐそばの険地に4万5000人の兵力を置いている」と話した。19日には最初から「北朝鮮が57個のとても強力な核兵器を持っている」とした。これに対し2回の韓米首脳会談と3回の米日首脳会談、1回の米中首脳会談結果では概ね「北朝鮮の完全な非核化」が盛り込まれた。トランプ大統領の発言と米政府の公式立場の間に温度差がある形だ。
◇北の要求拡大、南は独自核武装論強化
北朝鮮はこの隙に食い込む可能性が大きい。金委員長は2月の党大会で、朝米対話再開条件として非核化議題放棄と対北朝鮮敵対視政策撤回を提示した。非核化を交渉議題とするなという要求はトランプ大統領の相次ぐ発言に力を得た形だ。今後北朝鮮は制裁緩和と韓米合同演習中断を要求し、さらには在韓米軍縮小問題まで圧迫しかねない。普段から在韓米軍の駐留費用に否定的だったトランプ大統領が縮小カードを切る場合、韓国としては最悪のシナリオになる恐れがある。
さらに大きな問題はこうした決定を韓国と協議なく押し進める可能性だ。トランプ大統領は16日、金委員長との良好な関係のために合同演習縮小を指示したとし、「取り消すには遅かった」と明らかにした。朝米対話の過程で在韓米軍など韓国の核心安全保障問題が交渉テーブルに上がれば米国の拡大抑止公約に対する疑問も大きくなるほかない。梨花(イファ)女子大学のパク・ウォンゴン教授は「韓米合同演習の永久中断や在韓米軍縮小問題が議論されるならば同盟体制自体を形骸化するもの」と話した。
これは韓国内の自強論と独自の核武装論を刺激する起爆剤になる恐れがある。保守陣営でも独自核武装を要求する声が続いている。中央日報と東アジア研究院の共同調査では回答者の69.1%が独自の核兵器保有に賛成した。
ただトランプ大統領の発言は金委員長を交渉の場に引き出すための誘引策であるだけに米国が非核化の原則を放棄したものではないとの分析もある。世宗(セジョン)研究所のシン・ボンチョル首席研究委員は「トランプ大統領は2019年のハノイでの会談で北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄提案さえ『バッドディール』としながら拒否した。在韓米軍も対中牽制の役割が大きくなっただけに完全撤収は米国が考慮しないだろう」と話した。
![トランプ米大統領.[写真 AP=聯合ニュース]](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/2/4/24ba7_204_42c741cc_fae76c73.jpg)
