《「ドーン!!」と衝突音》「かなり凄惨な現場になっているだろうと…」東武鉄道4人死亡、現場にいたタクシー運転手が明かした「異例の特急列車事故」の現場
8月20日午前10時45分ごろ、東武日光線・新鹿沼駅構内の線路付近で除草作業にあたっていた男性作業員4人が、東武日光発浅草行きの特急「スペーシアX 2号」にはねられ死亡した。事故の影響で東武日光線は一時運転を見合わせ、運転再開までに4時間半を要した。
【写真】「『ドーン!!』と激しい音が...」東武鉄道特急スペーシアXと接触し、作業員4人が死亡した新鹿沼駅の事故直後の様子ほか
同日夕、東武鉄道は国土交通省で記者会見を開き、鉄道事業本部長らが「お亡くなりになられた方々と、ご遺族の皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪。会見では、現場に列車接近を知らせる見張り員が配置されていたことや、特急の運転士が警笛を鳴らしていたことなど、当時の状況が説明された。大手紙社会部記者が語る。
「東武鉄道によれば当時、駅から80メートルに配置される"列車見張り員"とさらに離れた踏切から列車の接近を知らせる"中継見張り員"を含めた計10名が作業をしていた。亡くなったのは、噴霧器で除草をしていた作業員4名で、他にけが人は確認されていません。
当時、列車見張り役の作業員は側で列車に合図を出していて、運転士もそれを確認して警笛を鳴らしていたが、退避が間に合わなかったとみられます。駅付近の見張り役と、中継見張り役の意思疎通が図れない状態だった可能性があるといい、県警は業務上過失致死の疑いも視野に捜査しています」
会見では見張り役の当時の状況に関する質問が多く飛んだ。幹部職員らの説明によると中継見張り員に関しては「意思疎通ができない状態だった。合図を出したかどうか不明」、駅近くの列車見張り員は「『作業員が退避した』と認識して、運転士に進入可能の合図を出したと思われる」という。現在も調査が続いており、事故原因の究明の大きな争点になりそうだ。
事故直後、新鹿沼駅周辺は物々しい雰囲気に包まれた。NEWSポストセブンは当時、駅付近にいたという個人タクシーの運転手から話を聞いた。
パトカーに消防車…物々しい事件現場
「事故の瞬間、ロータリーまで衝突音などは聞こえなかったです。10時50分くらいに、けたたましいサイレンを鳴らしたパトカーが5台駅に入ってきて、7〜8人の警官がものすごい勢いで駅舎の方へ走っていったので、最初は喧嘩沙汰でもあったのかと思っていました。ホームの方を見たら、特急がホームより手前で停まっていたので、『電車のトラブルか』と気づきました。
2〜3分後に消防車が4〜5台、その後に司令車というんですか、それが1台来て、さらに救急車が4台来たので、これはただ事ではないと思いましたよ。そのあと、レスキュー隊員が7〜8人くらい現れて、消防車から担架やジャッキなど、救出に使う道具などを持って、駅の方へ向かっていきました。現場を見に行こうかと思ったんですが、かなり凄惨な現場になっているだろうと思い、怖くてやめました」
11時ごろになると、救出作業が始まったという。タクシー運転手がさらに当時の様子を語る。
「警察官含む5〜6人の救急隊員が担架で1人目を運んできました。駅から救急車までは20メートルくらい。ブルーシートで覆われていて姿はよく見えなかったのですが、救急車に乗せる瞬間にブルーシートが捲れて右足が一瞬だけ見えた。10分後に、2人目が同じく救急車に運ばれてきましたが、その方はまったく見えませんでした。
その後、私は家族連れを鬼怒川温泉まで運んだので、あとの事はわかりませんが、事故列車に乗っていたというお客さんに駅前で少し話を聞いたら、『ドーン!』という衝突音が聞こえたと言っていました。
事故後からずっと駅にいた別のタクシー運転手は、『3台目の救急車は出たけど、4台目は出なかった。4人目は即死だったのか、それか遺体が見つからなくて作業が難航していたんじゃないかな……』なんてことも言っていました。とにかくこんな事は初めてだから、びっくりですね」
複数人が列車の接触事故で亡くなるのは、近年でも類をみない事例だ。徹底した原因の究明が待たれる。
「NEWSポストセブン」では、情報・タレコミを募集しています。情報提供フォームまたは、下記の「公式X」のDMまで情報をお寄せください。
・情報提供フォーム:https://www.news-postseven.com/information
XのDMは@news_postsevenまでお送りください!
