【特集】医師に聞く「卵子凍結」のいま 女性の多様な生き方の選択肢のひとつとして広がる医療技術 今後求められる支援とは 秋田
「卵子凍結」の話題です。
有名なタレントが公言したり映画のシーンに登場したりして、ここ数年、話題になっています。
女性の体からとった卵子を凍結保存する医療技術で、医学的な適応によるものと、社会的な適応によるものの2種類があります。
「医学的適応」は、がんなどの病気によって、将来、妊娠できる能力を失う可能性のある人が対象です。
「社会的適応」は、健康な女性が年齢を理由に希望して凍結するもので、働く女性や独身の女性などが「いまは子どもを産めないが、将来の可能性を残したい」と選択するケースが増えています。
そもそも「社会的適応」での卵子凍結自体、行っている病院がないのが実情です。
女性の多様な生き方の選択肢のひとつとして広がる、卵子凍結。
県内の現状と、今後求められる支援について医師に聞きました。
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年間約300件の分べんが行われている、秋田大学医学部附属病院。
体外受精や顕微授精を行う県内2か所の病院のひとつで、不妊症の夫婦を対象に、受精卵の凍結保存を行っています。
不妊治療が専門の熊澤由紀代医師は、卵子の数や質の観点から、凍結はできるだけ若いうちに行うのが望ましいと話します。
熊澤由紀代医師
「一般的に言われているのは、37歳から妊娠率が下がる、劇的に下がるって言われていて、 若ければ若いほど妊娠率は高いんですけども、急激に下がってくるのが37歳というふうに一般的に言われています」
10年前から、県内で唯一、「医学的適応」による受精前の卵子凍結を行っている、秋田大学医学部附属病院。
これまで約60人の卵子を凍結してきました。
しかし、健康な女性が行う「社会的適応」による凍結は、今のところ受け入れていません。
熊澤医師
「秋田大学病院は悪性腫瘍とかで将来の妊娠ができなくなるような方を一番最優先に凍結保存しているんですが、社会的な流れとして、いま社会的適応の卵子凍結もだいぶ関東中心に流行ってきているというか、需要が高そうなので、そういった背景を受けて、秋田大学でも、もしかしたら将来的には社会的適応の卵子凍結もすることになる運びになるんじゃないかなとは思っております」
東京都は、3年前から、健康な女性の卵子凍結に助成金を支給しています。
都内には、規模の大きい民間クリニックなど、卵子凍結に力を入れている医療機関が数多くあります。
最近では、県内でも卵子凍結に関する問い合わせが増えてきているといいます。
熊澤医師
「少しでも多くの方が出産に対して前向きに考えていただいて、少子化をね、 少しでも食い止める手段として 卵子凍結があるのであれば、それはそれでやっていくべきことなのかなと思っています」
卵子をとる「採卵」には、個人差はあるものの、身体的な負担が伴い、「凍結保存」の期間が長ければ長いほど費用もかかります。
女性が多様な生き方を自らの意志で選択できるよう、行政による支援の充実、そして周囲の人たちの理解の促進が求められています。
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卵子凍結の費用は、医療機関によって異なりますが、採卵までに数十万円、凍結保存は年間数万円かかります。
将来への備えとして関心が高まる一方で、費用に加えて、住んでいる地域によって受けられる医療体制に差があることも課題のひとつです。
※8月21日午後6時15分のABS news every.でお伝えします