横浜スタジアム【写真:小池義弘】

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DeNAが巨人戦に招待「感謝の気持ちを伝えたかったです」

 20日に横浜スタジアムで行われたDeNA-巨人戦。ベンチ前で目を輝かせて練習を見つめていた青年がいた。工学院大2年の馬飼野剛秀(まかいの・たけひで)さん。DeNA関係者が「少しでも恩返しをできればと思って招待させてもらいました。感謝の気持ちを伝えたかったです」と明かしたように、馬飼野さんはチームの“恩人”だ。

 約1か月前のことだった。DeNAのアマチュアスカウトが都内で高校野球を視察した帰り道、駅のホームで急に体調を崩して倒れ、線路に落下した。たまたま居合わせた馬飼野さんは駅員さんらに呼びかけて救助し、水を購入したり、救急車を呼ぶなど迅速に対応。そのまま病院まで付き添った。

 しかも救急車ではチーム関係者や、体調を崩したスカウトの家族などにも連絡を入れて、状況を報告するなど手際よく動いた。その甲斐もあり、スカウトは病院で点滴を受けるなどの処置を受け、大事には至らずその日のうちに帰宅することができたのだという。

 一歩間違えれば、命の危険もある状況だった。馬飼野さんは「こういうことは初めてだったのでビックリしましたけど、助けなきゃと体が動きました。病院の検査が終わった段階で自分は帰ったのですが、後から『ありがとう、助かりました』と言っていただき、自分としては大したことができていないのですがよかったなと思いました」と謙虚に振り返った。

野球部に所属する右腕「まさかベイスターズの方だとは思いませんでした」

 馬飼野さんは大学で野球に打ち込む右投手。「まさかベイスターズの方とは思いませんでした。鞄にスピードガンが入っていて、スカウトの方だと聞きました」と驚くのも当然のことだ。球団はお礼として本拠地・横浜スタジアムに招待することを決定。関係者は「感謝という言葉では表しきれない。命に関わることを助けてもらったわけですから。何よりも対応の丁寧さに驚きました。球団全体としてお礼がしたかったということです」と頭を下げた。

 特定の好きな球団はないというが、実は以前からソフトバンクに所属する尾形崇斗投手のファンだった。5月の電撃トレードでDeNAに加入していたのも何かの縁か。この日もトレーニングに打ち込んでいた尾形と対面した馬飼野さんは「メンタルについて質問しました。きついときは先の自分を想像することがモチベーションになるとおっしゃっていた。未来の自分に何が足りないかを想像して、明日から頑張ります。本当に格好よかったです」と感激の表情だった。

 中学生時代に試合で立って以来の横浜スタジアムのグラウンドは、思わぬ形で訪れることになった。とっさの行動から繋がった“縁”。馬飼野さんは「きょうからベイスターズファンです」と笑顔を見せた。(町田利衣 / Rie Machida)