「1000円の壁」崩壊も……外食チェーンの専門家が選んだ夏の「安くて旨いコスパ最強飯」
三賢人が厳選!外食チェーン「猛暑の安くて旨い」商品はこれだ
コメの価格が下落しても、飲食チェーンの値下げは期待できないようだ。円安や人件費高騰、ナフサ不足など、外食産業を取り巻く環境は厳しさを増し、長らく存在していた″1000円の壁″は完全に崩壊している。
では、猛暑の中でも楽しめる、安くて旨い外食チェーンの逸品はどこにあるのか?B級グルメ探究家の柳生九兵衛氏、フードジャーナリストの長浜淳之介氏、フードアナリストの重盛高雄氏の″三賢人″が、この夏最強のコスパ飯について激論を交わした。
――前回(『FRIDAY』’26年1月2・9・16日号)の討論会で″最強″と認定した『ガスト』の『ガストフィットメニュー2』が、7月下旬に廃止となってしまいました。
柳生 一部店舗の先行終了で予兆はありましたが、全店舗で終了するとは。
長浜 ミニサイズのメニューから3品選択して、ドリンクバー、スープバー付きで1000円強。コスパ抜群だっただけに残念ですね。
重盛 店からすれば、手間もかかるし利幅も薄い。この物価高のなかでは、継続が難しかったのでしょう。
柳生 廃止や値上げにより、コスパの高いメニューもすぐに姿を消す時代です。
重盛 今は″1200円の壁″と言われていますが、その壁が崩壊する日も遠くなさそうですね。唯一の光明と言えるのが、コメ価格の下落。ご飯大盛り無料が出始めてきました。
長浜 国産米回帰もトレンド。『松屋』は米国産と国産のブレンド米から、国産米100%への切り替えを進めています。
――さっそく牛丼チェーンから。
長浜 勢いを感じるのは松屋です。『牛めし並盛』は460円の価格はそのまま、国産米に切り替えて美味しくなりました。
重盛 私は『牛めしあたま大盛』(630円)を推(お)したい。他社と比べて割安です。
柳生 松屋はモーニングもお得です。『Wで選べる玉子かけごはん』(350円)は、ミニ牛皿など小鉢を選べ、生玉子か半熟玉子を選べる。みそ汁付きで、ライスは無料で『特盛』までサイズアップが可能。国産米100%で美味しくなったのに、価格据え置きは嬉しいですね。
――『𠮷野家』の『牛丼並盛』(498円)も価格維持でワンコインで頼めます。
重盛 牛丼並盛は集客商品であると同時に『物価の指標』としても見られます。コストが上がっても値上げがしにくい。
長浜 つまり客目線ではコスパが高い。松屋の対抗馬は、𠮷野家の『牛丼並盛』になると思います。
――寿司チェーンのオススメは?
長浜 『杉玉』のランチ『杉玉定食』です。寿司6貫に天ぷら2種とうどんが付いて1190円。
重盛 私も平日ランチから、『すし松』の『日替り握り』(979円)を推します。握り7貫に巻き物、魚介出汁(だし)の利(き)いたみそ汁が付く。同店は1貫から注文可能で、『まぐろ』も1貫77円で頼めます。
柳生 『魚べい』も良いですよ。110円皿の品数が豊富で、サイドメニューも安い。選んで楽しむ、寿司チェーン本来の魅力があります。
重盛 皆さん『スシロー』、『はま寿司』、『くら寿司』、『かっぱ寿司』の4大チェーンは外してきましたね。
柳生 値上げ続きで、コスパ面で見劣りするようになってきましたからね。この中からあえて選ぶなら、『はま寿司』でしょう。CMに俳優の川口春奈さん(31)を起用し、「はまい!」のコピーで若者を中心に支持を集めています。
長浜 1皿110円〜と大手でも低価格路線。7月28日から販売している『国産生さば(1貫)』(110円)など、期間限定の110円皿はとくにコスパが高いです。
――中華チェーンに参りましょう。
柳生 『日高屋』の『黒酢しょうゆ冷し麺』(670円)は優勝候補だと思います。きゅうり、わかめ、ハム、錦糸玉子の4種の具材はボリューミー。黒酢をベースに、レモン汁や赤酢を配合したスープは、酸味が利いていて夏を感じます。
長浜 私も日高屋に注目しています。看板メニューの『野菜たっぷりタンメン』(620円)も良いですが、あえて『味噌ラーメン』(610円)を推します。野菜の量は同じくらいなのに、10円安い。
柳生 他社が値上げしているので、日高屋の安さが際立ってきました。私の中では″中華版サイゼリヤ″です。『スープ』なんて20円ですよ。私は日高屋に行ったら3杯は頼みます。
重盛 『餃子(3個)』も160円とお値打ち価格。ちょい足し需要を汲んでいます。
柳生 対抗馬としては『バーミヤン』でしょうか。平日10〜17時の『中華満喫定食』のコスパは高いです。『RGC定食』はバーミヤンラーメン・焼餃子3個・半チャーハンで1099円。
長浜 バーミヤンはアルコール類も強い。『いいちこ』、『黒霧島』の2種の焼酎のボトルキープが可能です。ドリンクバーを併用すれば、炭酸割りやサワーも楽しめます。
――ハンバーガーチェーンは。
長浜 『モスバーガー』の『ブラックアンガスバーガー』、『とびきりチーズ 〜北海道チーズ〜』はともに730円ですが、品質を考えると安いと思います。
重盛 『バーガーキング』の『アボカドワッパーJr.』(590円)もクオリティが高い。セットで700円ですが、100円追加すれば、期間限定でドリンクをMサイズ2杯分の『ビッグドリンク』に変更できます。
柳生 量を取りに行くなら、『マクドナルド』の17時以降の『夜マック』の『ポテナゲ特大』(980円)が最強でしょう。ポテトLサイズが2個に、チキンナゲット15ピース。ソースも3個選べます。ポテトLは単品で400円ですから、いかにお得か。ソースは50円で単品購入も可能。とくに期間限定の『うま塩ガーリックソース』がオススメです。
――ファミレスはいかがですか。
重盛 『サイゼリヤ』の『若鶏のディアボラ風』(500円)。やっぱりこれが強い。
柳生 『ガスト』は2月から『満足!ランチメニュー』を展開していて、『ジューシー若鶏グリルランチ』(703〜868円)はなかなかのコスパ。ライスかパンを選択し、日替わりスープが飲み放題です。
長浜 モーニングでは『ジョイフル』の『ベーコンモーニング』(328〜405円)がお得です。この価格でドリンクバーも付いている。
――夏の風物詩のうなぎ商品も各社から出ています。オススメを教えてください。
長浜 身近な牛丼チェーンの中では、𠮷野家の『鰻重(一枚盛)』(1251円)を推します。松屋、すき家より300円近く値が張りますが、彼らは鰻「丼」で、𠮷野家は鰻「重」です。鰻は贅沢で食べるものですから、鰻重の満足感は重視したい。
重盛 私は松屋の『うな丼』(980円)派。みそ汁付きでお得感があります。グループの『すし松』監修で品質も悪くありません。次点が𠮷野家。『すき家』の『うな丼』(980円)はコスパ面で2社の後塵を拝している印象があります。
柳生 私は牛丼チェーンからは選べないですね。『宇奈とと』の『うな丼ダブル』(1200円)が勝るのではないでしょうか。専門チェーンとして、うなぎをしっかり焼いていて、カリッとした食感も楽しめます。ご飯大盛り無料なのも嬉しい。『肝吸い』(190円)や『赤だし』(110円)など、サイドも充実しています。
――その他チェーンの秀逸メニューは。
長浜 『丸亀製麺』の『釜揚げうどん』(並・390円)。昨年5月に無料トッピングが6種から8種に拡充していて、お得度はより高まっています。
柳生 うどんなら『はなまるうどん』も負けていません。『わかめ(小)』(440円)は無料でわかめを倍盛りにできます。無料トッピングの天かすは、運が良いと、かき揚げの切れ端の野菜や、海老が入っています。この点もはなまるの強みです。
とんかつ店のモーニングは狙い目!
長浜 ご飯ものなら焼き魚がウリの『しんぱち食堂』のモーニング『朝銀じゃけ定食』(638円)が秀逸(しゅういつ)ですね。炭火で丁寧に焼いたしゃけは、まさに日本の朝食という印象。同店はまだ全国に66店舗しかありませんが、3月にすかいらーくの傘下に入りました。今後の出店拡大が期待される、注目のチェーンです。
重盛 モーニングでは『かつや』の『ミニカツ丼セット』(605円)を推したい。店舗やアプリで貰える100円引きクーポンを使えば、505円で食べられます。
柳生 とんかつ店のモーニングは狙い目ですね。『松のや』の『得朝ロースかつ定食(小鉢無し)』は、店舗によってはご飯、みそ汁がおかわり自由で550円。正直、これを出したら議論が終了するレベルなので、殿堂入り扱いにしたい。
重盛 同感です。朝からヘビーな揚げ物もイケる人にとっては最強ということで、今回の議論とは別枠としましょう。
――結論に移ります。この夏、最もコスパ&満足度が高いメニューは。
柳生 『日高屋』の『黒酢しょうゆ冷し麺』を最強候補に挙げます。
重盛 私も『日高屋』から『野菜たっぷりタンメン』に一票。日高屋はちゃんと鍋を振っていますから、野菜もシャキシャキしています。
長浜 『丸亀製麺』の『釜揚げうどん』ですね。トッピングの拡充で自由度と魅力が増したことを評価します。
重盛 比較的あっさりした麺類が並んだので、ガッツリ系も加えたいですね。
柳生 それなら『宇奈とと』の『うな丼ダブル』 が良いのではないでしょうか。
長浜 異論はないです。しかしこの最終候補の4つは甲乙つけがたい……。
重盛 悩ましいですが、『この夏』の最強ということで、季節感を重視してみるのはいかがでしょうか。
柳生 良いですね。『日高屋』の『黒酢しょうゆ冷し麺』を″夏のあっさり系最強″、『宇奈とと』の『うな丼ダブル』を″夏のガッツリ系最強″と認定するのはどうでしょう。
長浜・重盛 異議なし!
″三賢人″の激論は2時間半に及んだ。今回の議論を参考に、酷暑を乗り切るための逸品を探してみてはいかがだろう。
『FRIDAY』2026年8月21・28日合併号より
