「20年払って給付金ゼロ」がん保険で大損する人たちの共通点。FPが明かした“見直すべき3つの約款”とは
そう苦笑いを浮かべながら取材に応じたのは、大手外資系生保に在籍していたファイナンシャルプランナーの鈴木仁志氏(仮名)。
2000〜3000人もの顧客と向き合ってきた彼のもとには、「がん保険の穴」に落ちた相談者からの切実な声が届いていた。
◆「入院」が給付の条件も、現代は「通院」が主流
――数千人の顧客を見てきた中で、「がん保険で大損した」相談者にはどのような例があるのですか?
毎月約6000円、総額で140万円ほどを払ってきたのに、大腸がんを患った際に振り込まれた給付金は0円でした。
――20年間、安心のためにコツコツ支払ってきた見返りが「ゼロ」というのはショックですね…。
鈴木氏:その男性が保険に加入したのは20年前。当時の保険約款には、「20日以上の継続入院」が給付条件になっていたんです。
でも、今の医療は進歩していて、手術をしても10日から2週間程度で退院できるケースがほとんど。「今まで払っていたのは何だったのか」と呆然とされていましたが、昔の保険ほどいまの実態に給付条件が見合っていない。
さらに、入院だけで治療が済む人は1〜2割程度で、現代の主流は抗がん剤や放射線による通院治療です。通院は月に数万円かかるので、それが全額自己負担になれば、それこそ保険料を払い続けてきた意味がなくなってしまいます。
――20年前に加入ということは、2000年代半ば。男性のように痛い目にあう方は少なくないのでは。
鈴木氏:加入した保険をそのまま放置している人は多いので、予備軍はごまんといると思います。
特に月額を抑えた保険だと、厳しい条件が課されているものがほとんどです。蓋を開けてみたら「対象外」というトラブルが後を絶ちません。重要なのは、現代の実態にあった保険を選ぶことです。
◆本当に使えるがん保険を見極める3つのポイント
――がん保険の見直しや新規加入を考えている人は、どこを確認すべきでしょうか。ぜひ、現代の医療に合ったがん保険の条件を教えてください。
鈴木氏:約款のページを開き、次の3つを必ず確認してください。
1.通院で給付金が出るか
2.診断一時金が何度も受け取れるか
3.保険料払込免除の中身
1つ目は、入院を挟まない通院での抗がん剤・放射線治療で給付金が出るか、です。昔の保険は入院日額が基本でしたが、すでにお伝えした通り、入院になるケースはごくわずか。通院治療が給付対象の設計になっているかが重要です。
2つ目は、「診断一時金」が複数回受け取れるかどうか。一時金が給付されるがん保険の多くは、1回だけという縛りがあります。でも、がんは再発や転移のリスクがある病気です。再発時も受け取れるタイプなのかを確認しましょう。
―― 1回限りの一時金をすでに受け取っている場合は?
鈴木氏:解約して、その分を貯金に回した方が賢明です。保険会社や営業マンは「もう一時金は出ないので解約した方がいいですよ」なんて親切に教えてはくれません。その結果、権利がない保障のために毎月保険料を払い続けている人が大勢います。
3つ目は、がんと診断された際の「保険料払込免除」の条件です。保険料払込免除とは、がんが見つかったら、それ以降の保険料を支払わなくても保障は続くという特約ですが、古い約款だと「診断後、2年以内に入院または所定の通院30日以上」といった厳しい条件が付いていることがあります。
がんと診断されたら、即座に支払いが免除されるかもチェックすべきポイントです。そもそもの大前提として、保険料払込免除は付けてくださいね。
