《玄関前に置かれる“犯罪の予兆”》軍手、ガムテープ、子どもの靴下…トクリュウ最新の“ゴミ犯罪マーキング”「ママチャリから行動パターンは漏れる」【夏休みは要注意】
〈ご自宅外周をよく確認してみてください。表札やインターフォンの近くに、赤や黄色のシールなどが貼られていませんか? また、門や外周の壁上に見慣れない傷や石などが突然置かれていないか、よく確認してください〉
【写真を見る】トクリュウが関与したとされる強盗殺人事件の現場
2026年6月、警視庁が配信した防犯メールには、このような注意喚起が記されていた。匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」による侵入窃盗や強盗事件が相次ぐなか、犯罪グループが犯行前に残す「マーキング」への警戒を呼びかける内容だ。
しかし、裏社会に詳しいライター・上野友行氏は、「昨今の半グレグループ等は、玄関周辺に印をつけるマーキングはほぼ使わない」と話す。いま増えているのは、「ゴミ」を使った手口だという。
「丸められた軍手、使い古しのガムテープ、マジックペンなどは配送業者が落としたと思いますよね。玄関前に何度かそうしたゴミを置き、それがなくなった時間で在宅か不在かを把握します。子どもの靴下、しぼんだ風船、百均のおもちゃなど育児グッズを玄関先や庭に投げ込むパターンもあります。本物のゴミが何度も捨てられていれば通報されるため、落ちていても不思議ではなく、風で飛ばされる心配もないモノが選ばれるんです」
これらを発見した場合、どう対応するのがよいのか。
「これらは特定の1軒だけでなく、周辺地域一帯に置かれていることもあります。自宅近辺で妙なモノを見かけたら、ご近所にも聞いてみることが防犯に繋がります。また、地域で同じようなモノが発見されていないか警察に相談すれば、パトロール強化につながる可能性があります。『そんなゴミくらいで』と相手にされないときは、『そうした記事を見た』と言い添えてください」(同前)
ママチャリ、車…行動パターンは"漏れる"
夏休み中は家族旅行に出かける人も多く、空き巣への警戒が呼びかけられる時期だ。上野氏は車や自転車から情報が漏れる危険性を指摘する。
「子どもの習い事の送迎をする車やママチャリに、第三者がスマートタグ(忘れ物トラッカー)を取り付けるだけで、簡単に通い先だけでなく、生活パターンまで把握されてしまいます。それにより自宅を不在にする曜日と時間が判明するだけでなく、夏休みはスポーツやダンスなどで大きな大会が開かれて遠征しがちなため、空き巣に狙われやすくなります。
近年のスマートタグは小型で軽量なので、百均の強力マグネットで貼り付けるだけで設置できます。車のバンパーの裏側や車体の底面、ママチャリの荷台やカゴの裏など、見えづらい金属部分は特に注意してチェックしてみてください」(同前)
高齢者は人間関係に要注意
一方で、お盆シーズンは高齢者が狙われにくいという。いつも以上に在宅がちとなるためだ。もっとも、高齢者が狙われないわけではない。より巧妙な手口で近づく。
「高齢者と接する機会が多い業界では、自宅の間取りから家族構成まで詳細にわかることがあります。その情報が何らかのかたちで漏れて、盗みに入られるケースもあります。
空き巣ならまだしも、高齢者に関しては、あえて在宅時を狙って金の在り処を聞き出す『強盗』も増えています」(同前)
では、離れて暮らす親を守るにはどうすればいいのか。
「介護施設に預けたり、デイサービスを頼んだだけでは安心できません。定期的に連絡を取り、急に新しい人物と親密になっていないかなど、周囲の人間関係には特に目を光らせることです。『夏休みにはお孫さんたちは旅行なんか行かれるんですか?』と情報を引き出すこともあります。田舎の親を放っておくと、自分や子どもにまで危険が及ぶことを自覚してください」(同前)
巧妙化していくトクリュウに警察の対応が追いついていない側面もある。自分の身は自分で守ることが必要とされている──。

