【A4studio】いま流行りの「本格派タコス」とは別物…店舗数伸び悩む「タコベル」に勝機はあるか

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現在メキシコ料理の「タコス」が空前のブームを迎えている。飲食店情報サービス「ReCount®」によると、2026年4月時点の日本全国のメキシコ料理店・タコス専門店の店舗数は1469店舗で、前年同期比13.7%増となっている。その前年の2025年も11.5%増となっており、2年連続で二桁台の増加となっているのだ。

そんなタコスブームの最中、日本でいまいち伸び悩んでいるのが、全世界に7000店舗以上を誇るタコスチェーンの「タコベル」だ。1980年代の初上陸から数年で撤退、2015年に再上陸して話題となったものの、現在の国内店舗数はたった10店舗。タコベル発祥のアメリカでは、大手飲食チェーンのなかで売上高第4位を誇り、タコスチェーンとしてその地位を確立しているものの、日本ではなかなか定着できていない。

現在訪れているタコスブームの波に乗って、タコベルは今後日本で躍進を遂げることができるのだろうか。外食産業に詳しいフードアナリストの重盛高雄氏に解説していただく。(以下「」内は重盛氏のコメント)

記事前編は【「タコス」が空前のブームなのに…世界No.1チェーン「タコベル」人気が日本で定着しない理由】から。

タコベルは「タコスブーム」に乗れるのか

これまでタコス含むメキシコ料理が日本で定着してこなかったことも、タコベルが伸び悩んでいた一因だとしたら、現在の“タコスブーム”がタコベル躍進の材料となる可能性もあるのだろうか。

「現在のタコスブームの源流と、タコベルの提供するものは、実は似て非なるものなのです。現在ブームとなっているタコスというのは、本場メキシコの本格的な味わいを再現することを重視しているタコス専門店が多いです。しかしタコベルの商品は、そのような本格的なメキシコ料理とは異なり、スナック感覚で手軽に楽しむもの。この両者の違いは大きく、消費者からはほぼ別物として認識されることも少なくないでしょう」

また近年の外食傾向として、“クオリティーの良いものを味わう”という流れが強くなってきているという。

「2016年から2025年までの全国の家計調査の結果によると、2人以上の世帯の平均外食比率はあまり大きく変化しておらず、不景気のなかでも意外と外食をする機会は減っていないのです。ただ、ファストフードといった低価格で手軽な外食を減らし、その代わりに高クオリティーで本格的な味を楽しめる外食の機会が傾向として増えつつあります。

つまり外食の機会においては、安ければ値段なりのクオリティーでもいいという価値観が淘汰されつつあるのではないでしょうか。だからこそ、現在のタコスブームも本格志向のものが多く、人気となっているといえます」

感度の高い若者をターゲットに

そんな本格志向が過熱するなかで、タコベルが成長していくためには、今後どう変化していくことが求められるのだろうか。重盛氏はこう分析する。

「先ほどタコベルの課題として指摘しましたが、まずは客層のターゲットをしっかりと絞ること。これが先決かと思います。例えばタコベルはグルテンフリーのメニューを提供していたり、野菜を多めに使ったメニューが多くあったりします。こうした“健康志向”な部分をもっと打ち出していくことで、おのずと客層は20代〜30代の若い女性がメインターゲットとして絞られてくるでしょう。

また現在タコベルは、感度の高い若者が多い渋谷や中目黒、そして多くの人の目につく商業施設内などに店舗を展開しており、立地に関しては、タコベルの本来狙うべき客層にうまくリーチできている印象です。今後は例えば女子大学の近くに出店するなど、健康志向が強く、食のトレンドなどに敏感な感度の高い女性客を取り込む戦略が、タコベル成長のカギとなる可能性があります」

――ここまでの立地戦略は問題ないというタコベル。現在のタコスブームとはまた違った形で発展していく必要がありそうだが、うまくメインターゲットを絞った戦略を打ち出していけるかどうかがポイントになりそうだ。

(取材・文=瑠璃光丸凪/A4studio)

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