SNSを通じた案件詐欺の被害が広がっている。YouTuberのまーちゃろさんは、インスタグラムのDMで届いた商品紹介の依頼をきっかけに、案件詐欺に遭い、100万円以上の被害を受けたと告白した。

【映像】案件詐欺をしてきた企業(実際の映像)

 「ほぼ全財産を失った」と語るまーちゃろさんの経験は、インフルエンサーをターゲットにした詐欺の実態を浮き彫りにした。『ABEMA Prime』では、案件詐欺の手口とその対策について考えた。

■「自分が悪いから、また凍結された」罪悪感を利用した詐欺の構造

 まーちゃろさんによると、インスタグラムのDMで美容系企業を名乗る相手から商品紹介の依頼が届いた。やり取りはLINEに移り、専用プラットフォームで契約と報酬受け取りを行うよう指示された。前払いで報酬が振り込まれたが、「口座番号を1箇所間違えたため凍結された」と連絡が入る。

 「自分がやらかしがちな性格なのもあって、本当にやってしまったのかと思い、仕事だから急がないといけないと振り込んでしまった」と振り返る。しかし入金したそのお金も凍結されたとし、「信用スコアが足りない」という名目でさらなる入金を要求された。「自分が悪いから、また凍結された。もう本当に詐欺師の思考にどんどんはまっていった」。結局、3回にわたり入金を続けたが、全額引き出せない状態のまま、さらに多額の振り込みを求められた。

 消費者金融への手出しを寸前で踏みとどまり、母親に相談したことで詐欺だと気づいた。警察に被害届を出した後も、「お金が返金されると思ってしまっていた」と明かす。完全に目が覚めたのは、案件を依頼してきた企業の本物の窓口に問い合わせ、「そういったことは行っていない」と返答を受けてからだったという。

 詐欺・悪質商法の取材を長年続けるジャーナリストの多田文明氏は「詐欺は気持ちのアップダウンをさせながら、うまく誘導していく。ゴールはお金を取ることで、そこに向けて私たちの気持ちを上下させる」と解説する。また、「口座凍結はよく使われる手口で、詐欺師と話すと毎回これが出てくる。口座番号のミスというのも、詐欺師側がでっち上げているもので、おそらく実際には間違えていない」と指摘する。

■「先払いはおかしい」「フォロワーを深追いして確認する」当事者が語る見分け方

 モデルでタレントの益若つばさは、インフルエンサーとしての自身の経験から「私たちはインフルエンサーの走りみたいな時代だったので、個人でお仕事が来て、契約書もあるのか、ないのかみたいな中でやっていたし、実際に仕事をしても振り込まれないことがあった。堂々と詐欺をされる時代だったが、無知が悪い、私たちが悪い、という話だった。だからそれはある意味いい勉強になった。先に先払いしますというのは100%嘘だなとか」と明かす。

 さらに企業側の視点から「せっかく商品を送ったのに載せてくれないインフルエンサーもいる中で、なんで先にお金をこちらが払うんだって、よく考えたら意味がわからない。凍結されたときに何十万円も払う必要が果たしてあるのかとか、開通しているかチェックするには100円振り込めば確認できる方法もあるから、何十万円はありえない。まず銀行に電話すればいい」と具体的な対処法を挙げる。

 詐欺アカウントの見分け方についても、自らの経験から「怪しいアカウントがあったら、そのフォロワーをチェックする。フォロワーの中に外国人の名前が多い場合、そのアカウントをさらにクリックして、フォロー数が2〜3、投稿数が1〜2のものは大体ロボット。そういう人にフォローされているアカウントは大体死んでいるアカウントなので詐欺だ」と話す。

 まーちゃろさんは「詐欺の種類を知ることが大事だと思った。案件詐欺というものを知らなかったからこういう目にあってしまった。無知は本当に罪だと思う。知っていただくことが詐欺を予防し、被害を防げるんじゃないか」。益若も「インフルエンサーの方に向けた発信をこちらもやらなきゃいけない。悪いものだけではなく、いいチャンスも転がっているし、気をつける方法を発信していけば、さらに下の世代も健全に仕事できる」と述べた。

(『ABEMA Prime』より)