「日本人になりたい」発言に広がった違和感 韓国ユーチューバー帰化撤回劇に見る「日本媚び」コンテンツの結末

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「7年前から日本人になりたかった」――そう日本への帰化を宣言した韓国人ユーチューバーが、たった1日でその発言を撤回した。

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日本語で韓国関連コンテンツを発信してきた「韓国人先生デボちゃん」のことだ。

チャンネル登録者数約96万人を抱える同チャンネル運営者のチョ氏は、7月30日に公開した動画で日本への帰化を宣言した。ところが、その発言は韓国側だけでなく日本側にも波紋を広げることとなった。

帰化そのものは、本来であれば個人の選択だ。日本に長く暮らし、日本社会の一員として生きたいと望むこと自体は、他人が安易に否定すべきものではない。

しかし今回の場合、議論はそこまで単純には収まらなかった。彼がこれまで日本語で発信してきた内容、そして帰化を語る際の言葉遣いが、日本側にも違和感を与えたからである。

その後、チョ氏は謝罪動画を公開した。タイトルは「皆さん本当に大変申し訳ありませんでした」であった。

彼は、この動画について「収益化オフにして載せました」と説明し、「今回の件で僕にがっかりした日本の皆さん本当に申し訳ありませんでした。日本に戻るとしても帰化せずに、韓国人として日本で頑張ろうと思っています」と記している。

告発動画をめぐる騒動と過熱する「嫌韓」情報

韓国メディアも、この一連の流れを「日本帰化撤回」として報じている。

『イーデイリー』はチョ氏について「日本人を主要視聴層とし、“嫌韓”情緒をあおってきた有名韓国人ユーチューバー」と表現している。

実際、チョ氏は過去に「韓国で下半身だけの遺体が37体発見された」「非公開捜査が150件もある」「韓国の失踪者は8万人に達する」といった内容を扱った動画を公開し、今年に入って虚偽情報を流布した疑いで検察に不拘束送致されたと報じられている。

警察は、こうした動画が韓国への訪問や投資などに悪影響を与えかねない「重大な国益阻害行為」だと判断したという。また、動画を通じて得た広告収益についても、起訴前追徴保全を申請したと伝えられている。

一方、チョ氏本人はこれまで、「ネット上に上がっていた情報やコメントを紹介しただけ」「フェイクニュースを広めたことはない」と主張し、悔しさを訴えてきた。

彼が本当に韓国を憎んでいるのか、そして日本を愛しているのか、その内心は本人にしかわからない。

しかし、彼の本心以上に見えてきたのは、彼の動画がこれまで日本で受け入れられてきた理由であろう。

日本の一部ネット空間では、長く「韓国は危ない」「韓国経済は終わった」「韓国社会は崩壊している」といった言説が消費されてきた。そうした言葉を日本人が語れば、単なる「嫌韓」と受け止められることもある。

だが、それを韓国人本人が日本語で語ると、受け取られ方は変わる。「韓国人が言っているのだから本当だ」「内部の人間が告発しているのだ」という形で、言葉に特別な説得力が付与されるからだ。

そこで消費されているのは、韓国の実像というより、「やはり韓国はダメなのだ」と確認したい日本側の欲望なのかもしれない。

(写真=サーチコリアニュース編集部)

実際、韓国のSNS上ではチョ氏の帰化宣言に対し、冷笑的な見方も出ている。

ある韓国ユーザーは、日本人が彼を「韓国を愛する愛国青年が韓国の実状を訴えていると信じているように見える」としたうえで、実際には「韓国経済が滅びた、韓国で遺体が多数発見されたといった話を聞きたがる日本人から再生数を得ていただけではないか」と指摘した。

辛辣な見方ではある。しかし、この反応は、彼の発信が韓国側でどう受け止められているかをよく示している。

親日なのか、嫌韓需要に応えたビジネスなのか。その境界線は、外から見ればきわめて曖昧だ。

というより、これは単なる嫌韓ビジネスなどではなく、日本側の見たいもの、聞きたいものに合わせて韓国批判を差し出す“日本媚びビジネス”だったのかもしれない。

日本側にも広がった違和感と冷ややかな視線

今回、さらに皮肉だったのは、批判が韓国側からだけでなく、日本側からも出たことである。

韓国を批判する動画を見ていた視聴者のなかにも、いざ本人が「日本人になる」と語ると、距離を置く反応があった。

とりわけ引っかかりを生んだのは、帰化後の名前に関する発言だ。

チョ氏は、帰化すれば日本式の名前に変えることができると語り、好きな芸能人の姓を取って「スダ・ダイスケ」のような名前はどうかと冗談めかして話したとされる。

また、日本のSNS上では、区役所の手続きや居酒屋の予約などで韓国名を書くことへの不便を語った点に対し、名前を変えれば韓国人だと「バレなくなる」かのような発想に違和感を示す声も出ていた。

帰化とは、単に名前を変える手続きではない。その社会の一員として、どう生きるかを引き受けることでもある。

だからこそ、あまりに軽く語られたように見える帰化宣言に、日本側からも「不快だ」「来ないでほしい」「母国が嫌いだから日本に来るのは違う」といった冷ややかな反応が出たのだろう。

チョ氏自身も謝罪動画で、「日本は、どんな外国人でも自分の国で生きづらいからといって行くような国ではない。自分が間違って考えていた」といった趣旨の説明をしている。

つまり、彼の帰化宣言は、韓国側から冷ややかに見られただけではない。日本側からも、「日本を逃げ場のように語るな」と受け止められた面があるのだ。

帰化宣言の挫折が浮き彫りにした「嫌韓コンテンツ」の限界

ここに、“嫌韓ビジネス”の奇妙な限界が見える。

韓国を否定する言葉は、日本の一部では消費される。だが、その語り手自身が「では日本人になりたい」と言い出したとき、必ずしも歓迎されるわけではない。

さらに、チョ氏は帰化宣言動画のなかで、現在の刑事手続きの結果によっては帰化審査に影響が出る可能性にも触れた。そのうえで、視聴者に「無罪」とコメントするよう呼びかけたとも報じられている。

ここにも、帰化という重大な選択と、自身のチャンネル運営が奇妙に重なって見える危うさがあった。

繰り返しになるが、彼が本当に日本を愛しているのか、韓国を嫌っているのかは、本人にしかわからない。

ただ、今回の騒動が浮かび上がらせたのは、一人の韓国人ユーチューバーの帰化宣言と撤回だけではない。韓国を否定する言葉を、韓国人の口から聞きたがる日本側の欲望でもある。

親日”という言葉の裏で、いったい何が消費されていたのか。

「韓国人先生デボちゃん」の日本帰化宣言と撤回は、嫌韓コンテンツがどのように作られ、誰に求められ、そしてどこで限界を迎えるのかを考えさせる出来事でもあった。

(記事提供=スポーツソウル日本版)