鹿児島読売テレビ

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 大雨は、霧島市や姶良市を中心に大きな被害をもたらしました。日常が一瞬で奪われる、自然の恐ろしさを知ったあの日――。何気ない日常を取り戻すための道のりは、人とのつながりに支えられた日々でした。

(お好み焼きしんきち・阿多清美さん)
「来年の夏は、去年は、あんなことがあったのにって言えたらいいねと言ってたけど、本当にそうなった。おかげさまで」

霧島市隼人町姫城にある「お好み焼きしんきち」。四半世紀以上、地元の人たちに親しまれているこの店は、去年、ある出来事に見舞われました。

 1年前、県内を襲った記録的な大雨です。霧島市と姶良市を中心に住宅の床上・床下浸水の被害が相次ぎました。しんきちがある日当山地区も約1メートル50センチの高さまで茶色く濁った水で覆われました。

(お好み焼きしんきち・阿多清美さん)
「2階にいたけど、降りてこられなくて。(夫が)が1階で寝ていたら背中が濡れて気付いた時は、タンスや冷蔵庫もひっくり返っていて、畳も浮いていた。店のカウンターにあった椅子が、ここにあったのは覚えている」

被害にあった日は、店の25周年を記念し、常連客に感謝を伝えるためのイベントを始めた翌日でした。

(お好み焼きしんきち・阿多清美さん)
「こんな記念日なんだろうかと。でも、25年は乗り越えたよねって言えたら、きっとみんな災害にあった人は、乗り越えて生きているので、また来年のその日でも今日の話をして迎えられたら」

 災害を乗り越えると誓ったあの日から1年。店には、客の笑顔が絶えない何気ない日常が戻っていました。

(常連客)
「お疲れ様です」

(お好み焼きしんきち・阿多清美さん)
「浸かった朝は、ほぼ覚えていない。びっくりして。あれから、こんな生活ができる日が来るなんて」

(常連客)
「付き合える飲み屋さん。自分の息抜きをさせてくれるところ。ありがとう」

(清美さんの息子・信也さん)
「こちらこそありがとう。皆がいないと店もやっていけない」

 復旧への道のりは、友人や常連客とのつながりに支えられた日々でした。

(お好み焼きしんきち・阿多清美さん)
「暑い中、皆が、毎日毎日そうじに来てくれて、本当に助けてもらいました。商売をしていたおかげで助けてもらえた」

浸水した床は、知り合いの大工が張り替えてくれました。

(大工さん)
「早くしてあげないと寝るところもなかった。毎日来たというけど、毎日しないと大変だった。だけど良かった。こうして1年が迎えられて」

清美さんと店がこれまで歩んできた道のりが、ありがたい今を紡ぎました。

(お好み焼きしんきち・阿多清美さん)
「このつながりを大事に、ずっと大事にお客様と付き合っていけたら。そんなに毎日忙しくなくてもいいから、行ったらホッとして家に帰ったみたいに感じて来てもらえたら。来てもらえる人がいる間は、私も頑張ります」

大雨が日常を奪ったあの日から1年。乗り越えてきた1日1日がまた、これからにつながっています。