大学に進学する人がこれまでで最も多い水準に達しているにもかかわらず、多くの大学が経営の面で厳しい状況に置かれているという奇妙な現実がある。学費を賄うために奨学金を利用する学生は少なくないが、その返済負担がここ数年で急速に重くなっているという声も広がってきた。将来を見据えて選んだはずの進学が、卒業後の生活を圧迫する要因になり得るという状況は、当事者でなくとも他人事とは言い切れない。
 
脱・税理士の菅原氏は、自身の動画の中でこの構図について言及している。奨学金という名称から給付を連想する人は多いが、実際には返済が必要な貸与型が大半を占め、その中でも利子が発生するタイプの利用者が多いのが実情だという。加えて近年は利率そのものが上昇傾向にあり、進学を決めた時点と卒業する時点とで条件が大きく変わってしまうケースがある点にも触れている。菅原氏は、こうした仕組みの分かりにくさが、返済に窮する若者を生む一因になっていると指摘した。
 
一方で大学側にも構造的な事情がある。少子化で入学者数が減る中、国の後押しで大学の数自体は増え続けてきた経緯があり、多くの大学が定員割れと経営難を抱えているという。しかも在学生を抱える以上、経営が苦しくなったからといってすぐに募集を止めて閉じられるわけではなく、一定の期間は運営を続けざるを得ない事情もあると菅原氏は説明する。学生を確保するために合格基準を緩めざるを得ない大学もあり、結果として学歴そのものの価値観にも変化が生じているとの見方を示す。加えて、就職先の企業が奨学金の返済を肩代わりする制度を導入する動きが広がっている点も紹介されており、人材確保をめぐる新たな潮流としても注目されている。
 
こうした奨学金と大学経営をめぐる悪循環に対し、菅原氏はどのような視点から向き合うべきかを動画の中で語りかけていた。返済に追われる側の理屈だけでなく、制度そのものをどう捉え直すべきかという踏み込んだ提案にも触れられており、そこには進学を控える人や、すでに奨学金を利用している人にとって見過ごせない論点も含まれていた。奨学金の重みと大学経営の実態を照らし合わせることで、これから進学を考える人にとって、将来の選択肢を見つめ直すきっかけが浮かび上がる。

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