肥後銀行が松橋支店に設置した移動店舗車(30日、熊本県宇城市で)

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 熊本県で発生した地震を受け、金融機関が被災した個人や事業者の支援に乗り出している。

 預金の引き出しや保険金の速やかな受け取りが可能となる特例措置を講じるほか、住宅や事業の再建に向けた資金繰り支援も始める。被災者の生活再建を金融面から後押しする。

 30日時点で7店が休業した肥後銀行(熊本市)は、熊本県八代市と宇城市で休業中の2店舗に「移動店舗車」を派遣した。臨時休業中の松橋(まつばせ)支店では30日午後、駐車場に止まった移動店舗車に次々と来店客が入っていった。

 会社の税金の支払いに訪れたという近くの女性(69)は「月末で手続きが必要だったので助かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 車内には1人が常駐する窓口と現金自動預け払い機(ATM)1台を備え、現金の引き出しや振り込み、公共料金の支払いといった手続きが可能。2016年の熊本地震後に2台を導入し、今回、松橋支店では30日までの2日間で200人以上が利用したという。

 北崎修一支店長は「デジタル化が進んでも、窓口やATMを必要とする人はいる。一日でも早く店舗を復旧させたい」と話した。

 三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクも含め、各行は通帳やキャッシュカードを紛失した場合でも、免許証などの本人確認書類を提示すれば窓口での預金の引き出しに応じる。被災した法人に対しては、通常よりも低金利で融資を行う。

 片山金融相は30日の記者会見で「民間金融機関に対し、被災地域の住民や事業者の資金繰りに支障が生じないよう、柔軟に対応するよう要請している」と強調した。被災住宅の再建に向けた動きを後押しするため、各行は優遇措置も用意する。

 三菱UFJ銀は変動型住宅ローンの優遇金利の適用条件を緩和する。リフォームローンなどの無担保ローンは借入期間中、店頭金利から一律0・5%引き下げる。三井住友銀は家屋の新築・増改築にかかる住宅ローンの金利を1・85%引き下げ、みずほ銀も基準金利から1・7〜1・9%引き下げる。

 一方、生命保険大手は熊本県内の一部契約者について、保険料の支払いが困難な場合に猶予する期間を最長6か月まで延長。東京海上日動火災保険など損害保険大手4社は被災地での損害査定を急ぐため、31日までに調査員を県内に派遣する。