お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ!』(文化放送・毎週月~金曜11:30~15:00)。7月13日の放送では、大竹が経済アナリストの森永康平氏とともに、改正個人情報保護法が成立したことに関する朝日新聞の記事を取り上げた。

大竹まこと「高市さんは『働いて働いて働いて』とおっしゃって、ご自身も『久しぶりに5時間寝た、普段は3時間』とおっしゃっている。でも、総理大臣がそこまで働いて『こんなにやってますよ』感を漂わせるのはどうなのか。世間も労基を守っていたら給料が増えなくて生活が足りないから仕方なく時間を増やしている。その結果、過労死などの労災請求件数は6,212件と前年から3割近く増えて、精神障害による請求も5年連続増加していると。もう現場は大変なことになってますねっていう風に思うんですけど、どっちみち円安と給料が安いことが原因ですよね」

森永康平「一律に規制すると、自ら望んで長く働いてその分いっぱい稼ぎたいという人たちが働けなくなるという側面は確かにあります。ただ、そういう人たちのために緩和すると、本当は働きたくない人まで働かざるを得なくなってしまう。理想はAIやロボットを活用して労働時間を減らし生産性を高めることですが、今はちょうど過渡期です。エンジニアや経理などの事務作業はAIで効率化できても、建設や介護など人間が動くしかない現場は、まだ『AIがあるから大丈夫』とはならない。過渡期のルール整備って非常に難しいんですよね。
本来は規制だけでどうにかするのではなく、物価高対策や『どう賃上げさせるか』というマクロ経済の議論をしっかりすべきです。そうしたマクロの対策を放置したまま現場のミクロな話に突っ込んでいくのは、政治家が仕事を放棄して『経営者が悪い』と責任転嫁しているように見えてしまいます」

大竹「都心では時給1500円に届かず、8時間働いても生活が苦しい。安い賃金を外国人労働者のせいにしようとする論調もあるけれど、外国人の労働者の人を入れるにしてもちゃんと時給を払った方がいいんじゃないかなと、私は思うんですけど」

森永「外国人労働者のせいというのは関係ないと思います。むしろそういう状況で働いてくれる外国人がいるから、まだ現場が回っているのが事実です。僕の家の近くのコンビニも店員さんは外国の方ばかりで、いなくなったら店舗がやっていけないレベルに来ています。これまで人手不足が表面化しなかったのは、女性の就業率向上や高齢者の再雇用で下支えしてきたからですが、それも限界を迎えている。本来はそうならないために少子化対策や本質的な問題に取り組むべきだったのに、何もしてこなかった結果です」

大竹「国民の55%が『生活が苦しい』と言っている中で、老人だって年金だけじゃ食えないから必死で働いている。でも現場のお金は高くなっていかない」

森永「僕の家の近くの弁当屋さんで働くおじいちゃんも『働きたいんじゃなくて、年金が安くて普通に暮らせないから働いている。十分もらえるなら働かない』と言っていました。街を歩いてちゃんと話を聞けばそういう声が出てくるはずなのに、現場のフィールドワークが足りていないんじゃないでしょうか。人手不足を解消しようとして過労死や動けない人を増やし、結果的に労働力をさらに減らしてしまったら本末転倒です」