令和の米騒動から一転 今年はコメ余りで価格低下? 県JAグループ柞山新会長に聞く 富山県のコメ作りの今後
高値が続いていたコメの価格は秋の収穫を前に値下がり傾向で、全国ではコメが余る状況となっています。「令和の米騒動」が深刻化した去年、JAが生産者に支払う「概算金」は過去最高となりました。今年の概算金やコメ価格の見通しについて、県JAグループの柞山明会長に聞きました。
きょう、立山町の小売店でコメ売り場をのぞいてみると…。
武道キャスター
「県産のコシヒカリが5キロ税抜きで2980円。税込だと3000円を超えますが、いっときの高値に比べると値段が安くなってきています」
シマヤ立山店 豊田悟副店長
「新米が出たときと比べますと、富山県産コシヒカリ10キロで2500円~3000円、価格が違う。5キロのもので1500円ぐらい価格が違いますので、在庫というか、お米の量に関してはじゅうぶん確保できているんだろうなと思います」
県内のコメの状況について、県JAグループの柞山明会長に聞きました。
県JAグループ 柞山明会長
「富山の全農はわりと計画的に卸さんとの契約を結んできたので、今うちに米が余ってしょうがないとかいう状況はないのです」
柞山会長は先月、県JAグループの4つの組織のトップに就任しました。去年のコメ不足についても聞きました。
武道キャスター
Q.去年を振り返ると『令和の米騒動』本当に大変だったと思うんですが?
柞山会長
「まずは消費者の皆さんに不安を与えたというのは、とても残念な事だと思っています」
武道キャスター
Q.JAだったら(コメが)あるんじゃないかという声もなかったですか?
柞山会長
「かなり農協犯人説というのも一時期あったと思いますけど、むしろ我々が一定のコメを持っていることが僕は安心材料になると思ったんです。『安全な食糧を安定的に供給する』という使命の下で農協は動いておりますので」
今年もあと1か月ほどで新米の収穫期を迎えます。それを前にJAなどがコメ農家に支払う仮渡金がいわゆる「概算金」です。
去年はコメ不足を背景に、民間の卸業者との集荷競争が激化し、
1等60キロあたり税込みで
・富富富は2万6800円
・コシヒカリは2万6000円と
いずれも記録が残る2004年以降で最も高くなりました。
この概算金の金額は市場価格にも大きく影響します。そして今年はその概算金を左右する新たな動きもありました。
県JAグループ 柞山会長
「国の価格指標というものが出ましたね。やはりあれは一つの指標になっていくんだろうとは思っていますね」
今年春には、コメ作りにかかる標準的な生産コストを示す「価格指標」が初めて公表されました。玄米60キロあたりの標準的な生産コストは2万535円と示されました。これまで農家はこの水準を下回る価格で取り引きせざるを得ない年も少なくありませんでした。
武道キャスター
Q.少なくとも今年に関してはその指標が出たこともあり、農家のみなさんは急に収入が減るということを心配するほどではないと?
柞山会長
「今の指標が2万円少しですからね、それが最低限の土台になるのであれば(コメの生産)計画は立つのではないかと思いますけどね」
柞山会長は具体的な概算金の金額には触れなかったものの「農家が安心してコメ作りを続けられる水準の概算金が必要だ」との考えを示しました。
武道キャスター
Q.農家の方々に「そんな大変ななかでなぜ作り続けるんですか」と質問を投げかけたら、みんな同じ答えなんですよね。
「先祖代々守ってきた田んぼを守りたい」「この環境を守るために田んぼをやっているんだ」って。
柞山会長
「今ちょうど団塊の世代の皆さんがもうすぐ80歳を超えられるわけですよね。実はそういった皆さんに現在も農業を支えていただいているわけですが、そこからリタイアをされるということは否めないわけですので、若い人たちが農業に参入する、米作りに参入するというような価格ということでないとですね、この状況、生産構造を維持するということが難しいと思うんですね。そのこともぜひ一緒に考えていただきたいという思いはありますね」
今年の概算金は今後発表される見通しです。生産者が安心してコメを作り続けられることと、消費者が買いやすい価格との両立が求められます。

