「あまりに酷すぎる」怪物・井上尚弥と激闘した元世界王者フルトンの凋落 言語道断の4.31キロ超過に敵陣営の怒り爆発「ボクシング、いやスポーツ界の汚点だ」

井上と拳をかわし、日本でも人気を博していたフルトン(C)Getty Images
かつて日本の“怪物”井上尚弥(大橋)と名勝負を繰り広げた元世界王者が、キャリアの崖っぷちに立たされている。ボクシングの元世界2階級制覇王者のスティーブン・フルトン(米国)だ。
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もっとも、崖っぷちに追い込まれる要因を生んだのは、己だ。現地時間7月25日に行われたリアム・ウィルソン(オーストラリア)とのWBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦に向けた計量でフルトンは大幅な体重超過が発覚。昨年12月に予定していた王者オシャキー・フォスターとのWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチに続く減量失敗となった。
そもそも条件を譲歩された中での試合開催だった。というのも、フルトン陣営がスーパーフェザー級の規定体重(130ポンド=約58.97キロ)に対する減量苦を申し出たため急きょ、133ポンド(約60.33キロ)のキャッチウェイトで実施される運びとなっていたのだ。しかし、32歳の元世界王者はそれすらも果たせなかった。
本人は「身体からは失うものが何もなくなって、汗すらも出なくなった」と極限状況まで追い込んでいたというが、本来のスーパーフェザー級のリミットから4.31キロの超過は言語道断。減量を諦めていたと言われても仕方がない状況と言えよう。
実際、母国での試合を中止にされたウィルソン陣営からは怒りの声が上がっている。オーストラリアのニュース局『ABC News』のインタビューに応じた同選手の代理人を務めるグレン・ジェニングス氏は「まるで仕組まれていたかのようにも感じる」と吐露。譲歩した条件も満たそうとしなかったフルトン側の姿勢に異論を唱えた。
「本当に真剣に取り組んでいたと言うのならキャッチウェイトの契約体重までは落とせると期待されるのは当然だ。この件はただただ容認できないというだけでなく、ボクシング界、いやスポーツ界においても汚点だ。明らかにプロ意識に欠ける行為であり、あの男(フルトン)にはもう行くべき道はない」
また、米老舗誌『The Ring Magazine』の取材に応じたウィルソンのトレーナーであるベン・ハリントン氏も「これはあまりに酷すぎる」と糾弾。「133ポンドのはずが、140ポンド(約63.5キロ)だって……。それは最初から落とす気も、努力する気も全くなかったということだろう」とフルトン陣営への怒りを爆発させた。
ボクシング界の「汚点」とも言われたフルトン。彼は自身のXで「チーム、そしてファンにこの謝罪を送る。俺は全力を尽くたが、体重に負けてしまった」と謝罪しているが、それすらも軽薄に思えてしまう。規定体重から4.31キロの超過は、彼のキャリアにおいて致命的なダメージになりそうだ。

