ウォルマート 、W杯の食品購入分析。支出の増加や若い世代ほど新商品を選択

記事のポイント
ウォルマートの調査では、ファンの約半数が注目試合のある週に食料品支出を25%以上増やすと回答した。
塩味のスナックやデリ商品の販売が伸び、スタジアム周辺では食料品店や飲食店への来店も増加した。
若年層ほど新商品を受け入れやすい一方、勝敗による需要変動を踏まえた柔軟な在庫管理が求められる。
サッカー・ワールドカップ北中米大会の期間中に消費者の購買行動がどう変化したのかを示すデータが、少しずつ明らかになりはじめている。
ファンの約半数が食料品支出25%増を計画
ウォルマート傘下のデータ分析部門ウォルマート・データ・ベンチャーズ(Walmart Data Ventures)の調査によれば、自らをサッカーファンだと認識している人の約半数が、注目試合のある週には食料品への支出を少なくとも25%増やすと見込んでいた。
この分析は、ウォルマートのカスタマー・スパーク・コミュニティ(Customer Spark Community)に参加するライト層から熱心なファンまで、1021人を対象に調査したものだ。
ウォルマート・データ・ベンチャーズでビジネス戦略のグループディレクターを務めるニコール・ライナー氏は、次のように説明する。
「今回の調査結果は、幅広い関与度合いの層を横断的に反映している」。そのうえで同氏は、「ブランドは、需要を予測し、その変化に合わせて進化していくための知見を必要としている」と強調した。
購入を予定している商品としてもっとも多く挙がったのは、塩味のスナック(78%)で、冷凍食品・オードブル(64%)、生鮮のデリ商品(54%)、アルコール飲料とノンアルコール飲料(いずれも53%)が続いた。
購入の判断に影響する主な要因としては、値引きなどの販促価格(61%)とブランドへのロイヤルティ(59%)が挙げられた。また約90%が、買い物の際に予定外の購入をすると見込んでいた。
回答者の3分の2は2〜5人で試合を観戦する予定と答え、21%は6人以上のグループで観戦すると予測。25〜44歳の消費者は、より高い年齢層と比べて、自宅ではなく飲食店などの施設で観戦することを好む傾向があった。
若い世代ほど新商品を受け入れる傾向
注目すべき点として、18〜24歳の買い物客の56%が、ワールドカップ関連のマーケティングを通じて新しい商品を知ったと答えており、この傾向は年齢が上がるにつれて弱まっていった。
ライナー氏は、「ファンが今回の大会にどう向き合うかには、明確な世代間の違いがあった」と指摘する。若い消費者ほど新しい商品を受け入れやすい一方で、年齢が上の買い物客は定番のブランドを好んだ。
実売データと来店動向が予測を裏づけ
ウォルマートのその後の販売データは、こうした予測を裏づけるものだった。塩味のスナックやデリ商品、冷凍デザートといった試合当日に需要が高まるカテゴリーで、購入が増加したのだ。
同社はまた、ランチドレッシングのような調味料の売上が伸びたことにも触れている。海外からの旅行者が、自国では手に入らないアメリカの食品を求めたためだ。
データ分析企業のアリティ(Arity)による別の調査は、6月12日にSoFiスタジアムから10マイル(約16km)圏内の小売店や飲食店への来店動向を調べたものだ。
午前11時からキックオフまでのあいだに食料品店への来店は30%増加し、飲食店への来店は前週の金曜日と比べて2倍になった。ただし買い物に費やす時間は減っており、観戦イベントの前に手早く買い物を済ませていたことがうかがえる。
アリティで分析責任者を務めるジョエル・ペペラ氏は、小売店への来店の多くは他地域からの来訪者によるものとみられると指摘した。試合当日に検出された端末のうち、ほぼ半数は前週にはその地域にいなかったからだ。
RELEXソリューションズ(Relex Solutions)で業界戦略担当バイスプレジデントを務めるロヒト・トリパティ氏は、在庫管理ならではの難しさを指摘する。
「ワールドカップは条件次第だ。需要のカーブは、チームがどこまで勝ち進むかによって変わる」。予測しやすい季節ごとの需要の山とは異なるという。
ライナー氏はこう締めくくった。「本当のチャンスは、こうした変化を成長につなげることにある。顧客ニーズの変化を可視化できれば、ブランドやサプライヤーは需要を予測できるようになる」。
[原文:Walmart reveals soccer fans' World Cup shopping habits]
Mitchell Parton(翻訳、編集:藏西隆介)
