前半、アルゼンチンのタリアフィコ(左)と激しく競り合うスペインのヤマル(19日)=松本拓也撮影

写真拡大

 19日(日本時間20日)に行われたサッカーのワールドカップ(W杯)北中米3か国大会決勝で、スペイン(世界ランキング2位)が延長の末に1―0でアルゼンチン(同1位)を破り、2010年大会以来となる2度目の優勝を飾った。

 スペインは延長後半の106分にトレスが決勝点を決めた。優勝賞金は5000万ドル(約81億円)。スペインは国際Aマッチで38試合連続無敗とし、男子の世界最長記録を更新した。アルゼンチンは史上3チーム目の大会連覇はならなかった。(世界ランキングは6月11日時点)

[戦評]

 終始、主導権を握ったスペインが勝利した。再三の好機を生かせず迎えた延長後半の106分、右クロスを味方が折り返したところを、トレスが蹴り込んだ。アルゼンチンは延長に入るまでシュートを放てず、終盤押し込んだものの、無得点に終わった。

「矛」と「盾」でチームに貢献

 金メダルを受け取りに行くスペインのヤマルは「こんなもんじゃない」と言わんばかりに、未練が残るような表情を浮かべていた。「神童」と称される19歳のアタッカーは、大会を通して1ゴール。それでも随所で見せた潜在能力の一端は、輝く未来を想像させる。

 右ウィングで繰り出すドリブルは、この日も相手の脅威となり続けた。好セーブに阻まれたFKも含めて観客を魅了した「矛」に加え、デラフエンテ監督が称賛したのは献身性だ。「たとえボールに触れていなくても、チームの助けになるなら何でもいい」と語っていた通り、攻め込まれた場面では全力で帰陣して「盾」となる。指揮官は「チームのために身をささげた彼に、心から感謝している」と褒めたたえた。

 試合後は、アルゼンチンのメッシの元に歩み寄り、熱い抱擁を交わした。ともにバルセロナの下部組織出身で、背番号10の系譜を継ぐ。赤ちゃんの頃に国連児童基金(ユニセフ)の企画で風呂に入れてもらった縁は、大会期間中、SNSで話題を呼んだ。

 故障明けをものともせず、がむしゃらに駆け抜けた初めてのW杯。デラフエンテ監督は「この経験が、今以上の素晴らしいサッカー選手に進化するための糧となるはず」と未来を見据える。自国開催となる4年後は、主役候補の筆頭だ。(細田一歩)