DRAMとNANDの不足で世界のスマホ出荷台数は2026年第2四半期に前年同期比11%減、2013年以来の最低水準に落ち込む

DRAMおよびNAND型フラッシュメモリの不足が深刻化したことで、2026年第2四半期(4〜6月)の全世界スマートフォン出荷台数は前年同期比で11%減を記録しました。これは2013年以来最低の水準となります。
Q2 2026 Global Smartphone Shipments Slump to Lowest Q2 Level in 13 Years as Memory Crisis Deepens

Global smartphone shipments in second quarter hit lowest in 13 years on memory chip crunch | Reuters
https://www.reuters.com/business/media-telecom/global-smartphone-shipments-second-quarter-hit-lowest-13-years-memory-chip-2026-07-13/
市場調査会社のCounterpoint Researchが行う市場動向調査・Market Monitorの暫定推計によると、世界中でメモリ不足が深刻化しており、これが足かせとなって2026年第2四半期のスマートフォン出荷台数が前年同期比で11%も減少しました。これは2013年以来最低の水準です。
この原因は、メモリ供給業者が消費者向けの電子機器よりもAIデータセンターの需要を優先し続けたことで、DRAMおよびNAND型フラッシュメモリの価格が高騰し続け、スマートフォンメーカーは部品コストの上昇分を製品値上げで消費者に転嫁せざるを得なかったためと指摘しています。この影響で、特にエントリー向けおよびミドルレンジのスマートフォンの値上げが顕著だったそうです。
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Counterpoint Researchのシニアアナリストであるシルピ・ジェイン氏は、「世界的なメモリ不足はスマートフォン業界にとって最大の足かせとなり、他のあらゆる要因を凌駕しています。2025年は部品の問題として始まったものが、今や本格的な需要問題へと発展しました。世界のスマートフォン販売台数の大半を占め、部品コストの影響を最も受けやすいエントリーおよびミドルレンジモデルは、従来の価格帯では構造的に採算が合わなくなっています。OEM各社はさまざまな対応をとっており、価格を引き上げている企業もあれば、利益率の低下を受け入れている企業、旧世代モデルのライフサイクルを延長している企業、プロモーションを活用して価格重視の顧客を維持しようとしている企業、新製品投入や生産を縮小している企業もあります。メモリ不足に加え、中東における地政学的緊張の高まりが原油価格と輸送コストを押し上げ、スマートフォンの価格をさらに高騰させています。これは、より広範なマクロ経済の圧迫、世界経済の成長鈍化、インフレ率の上昇、過去最低水準の消費者心理と重なり、価格に敏感な消費者に最も大きな打撃を与えました」と分析しています。
世界で最も出荷台数が多いスマートフォンブランドトップ5が以下。最もシェアが多いのはSamsung(24%)で、次点にApple(20%)がランクインしています。

Samsungは出荷台数シェアで世界一を記録したというだけでなく、トップ5ブランドの中で最も力強い成長を記録しました。Samsungはインドと中東での比較的堅調な成長をベースに、製品の供給体制の改善、値上げ幅の縮小、フラグシップモデルの勢いを後押しする積極的なプロモーションが功を奏したとCounterpoint Researchは分析しています。そんなSamsungの好調をけん引したのが、2026年2月に発表されたGalaxy S26シリーズです。特に最上位モデルのGalaxy S26 Ultraが、エントリーモデルおよびミドルレンジモデルの需要低迷の中でもSamsungのスマートフォン出荷台数の成長をサポートした模様。
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Appleも2026年第2四半期におけるスマートフォン出荷台数を伸ばしており、市場シェアは過去最高の20%を記録しています。Appleのティム・クックCEOはiPhoneについて、「値上げは避けられない」と発言していて、記事作成時点ではMacやiPadで値上げを実施しているものの、iPhoneではまだ値上げを行っていません。なお、Appleは2026年第2四半期にスマートフォンの値上げを行わなかった唯一の主要スマートフォンメーカーです。
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Appleの好調は出荷台数トップの地位を維持するiPhone 17シリーズのおかげですが、中国でのiPhoneの出荷台数は依然として比較的低調で、618ショッピングフェスティバルに先立ち早期プロモーションキャンペーンが行われたにもかかわらず、前年同期比で減少しています。
なお、別の市場調査会社であるOmdiaが発表した2026年第2四半期のスマートフォン出荷台数レポートでも、Counterpoint Researchと同様にAppleおよびSamsungが前年同期比でスマートフォン出荷台数を伸ばしたと報告しています。
Omdia: Global smartphone market down 4% in 2Q26 while Apple and Samsung soared
https://omdia.tech.informa.com/pr/2026/july/global-smartphone-market-down-4-percent-in-2q26-while-apple-and-samsung-soared

Xiaomi、OPPO、vivoはメモリコストの上昇による市場の変動性の高まりにより、価格に敏感なエントリーモデルおよびミドルレンジモデルの需要が圧迫され、2026年第2四半期の出荷台数は二桁の減少を記録しました。
これに合わせ、Xiaomiはポートフォリオを合理化し、販売量を維持するために小売業者の融資条件を緩和し、12%の市場シェアを獲得することに成功。これと同時に、XiaomiはRedmi Note 15シリーズ、Redmi K90、Xiaomi 17シリーズにけん引されプレミアムセグメントでも一定の勢いをみせています。
vivoは供給の課題に直面し、値上げを強いられた結果、いくつかの主要モデルが重要な価格帯から外れ、出荷台数に大きく影響しました。
OnePlusやRealmeといったメーカーを傘下に持つOPPOも、需要が低く主要市場のほとんどで低調でした。しかし、AシリーズやRenoシリーズのまずまずのけん引により、全体的な出荷台数の減少は緩和することに成功しています。なお、OPPO傘下のOnePlusは間もなくアメリカおよびヨーロッパ市場から撤退するという報道もあります。
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スマートフォン出荷台数トップ5以外のスマートフォンメーカーでは、GoogleとHuaweiが2026年第2四半期に大幅な出荷台数増を記録。Googleは前年同期比で16%増、Huaweiは前年同期比で6%増となりました。Googleの好調をけん引したのはPixel 10とPixel 10aで、Huaweiの好調をけん引したのはMate 80シリーズ、Nova 15、Enjoy 90シリーズです。。
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なお、Counterpoint Researchは「2026年後半の見通しは依然として厳しいです。Counterpoint Researchは世界のスマートフォン出荷台数が大幅に減少すると引き続き予測しており、世界的なメモリ不足は2027年も続くと見込んでいます。スマートフォンメーカーは価格重視の顧客層を維持するために、量よりも価値を優先し、利益率の低いモデルを減らし、構成やストレージ容量の調整を進め、再生品や旧世代モデルにさらに注力していくと予想されます。プレミアム化は、資金調達、エコシステムへの忠誠心、AIを活用した小売体験に支えられ、年末まで比較的堅調に推移すると見込まれています。しかし、メモリ供給状況が大幅に改善するまでは、全体的な需要回復は期待できません」と記しています。
