【A4studio】「サイゼリヤ」モーニングを本格導入も「ガラガラ状態」か…「予想外のウラ事情」があった
「サイゼリヤ」がモーニングを拡大
人気ファミレスチェーンの「サイゼリヤ」が、今年からモーニングメニューの提供店舗を徐々に拡大している。
「朝サイゼ」と銘打っているこのモーニングサービスは、2024年6月から都内の店舗で試験的に開始し、今年6月22日時点では東京・埼玉・千葉など関東圏を中心に22店舗で展開している。
朝サイゼの取り組みはテスト販売の段階からSNSで話題を集めており、《行ってみたい》、《うちの近所のサイゼリヤでもやってほしい》といった期待の声が多くみられていた。
「朝サイゼ」はガラガラ…?
しかし、『週刊女性』の6月4日付の記事で、朝サイゼが“ガラガラ状態”だと報じられているのだ。
実際に朝サイゼを実施している時間帯の店舗に足を運んだとみられる人々からも、SNSで以下のような声が挙がっている。
《朝サイゼの認知度はまだ低いようで朝はガラガラ》
《朝サイゼ見つけたのでよってみた。 ドリンクバー付きで500円切ってるから破格な気はするけど、ガラガラなのは気になるね》
ちなみにモーニングで提供されているメニューには、単品で税込200円の「焼きシナモンフォッカチオ」、単品で税込300円の「パンチェッタとチーズのパニーニ」などがあり、ドリンクバーとのセットでも税込300円〜400円と、ほかのファミレスチェーンのモーニングと比較してかなりの安さとなっている。
試験的に開始した当初から期待値が高かった朝サイゼだが、なぜ実施店舗が拡大し始めた現在、“ガラガラ状態”となってしまっているのだろうか。一部ネットの声では“サービスの周知不足”とも指摘されているが、公式SNSなどを運用していないサイゼリヤには、何かしらマーケティングにおける欠点があるのだろうか。
今回は企業のメディア戦略やブランディングなどに詳しい「新恵社」代表取締役の岡健作氏に解説していただいた。(以下、「」内は岡氏のコメント)
外食産業でモーニングブーム
モーニングメニューの提供を実施するファミレスチェーンはすでに多いが、サイゼリヤは遅れての参入となった。なぜサイゼリヤはこのタイミングでモーニングを実施するのだろうか。
「現在外食産業のなかではモーニングブームが訪れており、その市場規模は5300億円を突破して過去最高となっています。こうしたブームに乗じて、サイゼリヤでも新たな利益拡大の機会として、これまで着手していなかったモーニング市場に挑戦する流れになったと考えられます」
SNSでは《近所の店舗でやっていなくて残念》という声もみられている朝サイゼ。なぜサイゼリヤは全店舗で一斉に開始せず、徐々に拡大するスタイルなのか。
「現段階ではまだ模索状態であるとみられ、店舗のオペレーション含めた利益最大化の仕組みづくりを段階的に進めているのでしょう。他社では1000円近い価格でモーニングが提供されていることも珍しくないですが、サイゼリヤの場合は500円以内と、かなり安さを追求しています。安い価格帯で提供するとなると、それだけ緻密に売上設計やオペレーションを整える必要があるのです」
あえて「ガラガラ状態」を仕向けている
他のファミレスチェーンと比較してかなり低価格で魅力的なモーニングメニューの内容となっている朝サイゼだが、なぜ現在“ガラガラ状態”と言われてしまっているのだろう。岡氏はこう分析する。
「私も実際に朝サイゼの実施店舗に足を運んでみましたが、確かに空席が目立っている状態でした。しかしこれを失敗と捉えるのは早計で、むしろサイゼリヤ側の設計の想定内だと考えることができます。先述したように現在はオペレーション設計や商品ラインナップに対する消費者の反応などをテストしている段階であり、かなり慎重にサービス展開を進めていることは明らかです。
むしろオペレーションが未発達な状態で大きな注目を集めてしまうと、店舗がパンク状態になることも考えられることから、今はサービスの認知より先に運営方法の改善を優先したいというサイゼリヤ側の意向がみえるのです。よって現在の“ガラガラ状態”というのは、あえてそう仕向けているとも考えられるでしょう」
サイゼリヤのファンの間では、すでに朝サイゼがSNSなどで話題となっているが、こうしてSNSで取り上げられることで客足が殺到してしまうという可能性に、サイゼリヤ側はむしろヒヤヒヤしているといった状況なのかもしれない。
【つづきを読む】サイゼリヤがあえてSNSをやらない理由、「バズることがリスクになる」独自の経営戦略があった
(取材・文=瑠璃光丸凪/A4studio)
