6月21日に行われた「御忌大会(ぎょきだいえ)〜ドローン仏阿弥陀二十五菩薩来迎〜」の告知ポスター(龍岸寺公式Instagramより)

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 6月21日、京都・浄土宗 龍岸寺で行われた「御忌大会(ぎょきだいえ)〜ドローン仏阿弥陀二十五菩薩来迎〜」がSNSで大きな反響を呼んでいる。

【写真】「法然上人も飛んでます」「AIかと思った」と反響がすごいドローン仏

《すごい! 京都のお寺でドローン法要が行われていた。(中略)雅楽の演奏にのせて、飛来する菩薩たち。法然上人も飛んでます!》

「菩薩様をとてもイメージしやすい」の声も

 Instagramで投稿された動画には、ドローンに乗った菩薩と法然上人が飛ぶという不思議な光景が収められていた。

 この投稿は80万回以上再生されコメント欄には、

《私の葬儀でやってほしい。死んでてもめっちゃテンション上がりそう》
《私は好きです。菩薩様をとてもイメージしやすくて》

 と好意的な意見から、

《AIじゃないの?》

 と現実の動画と信じない人も。

《一緒にツクろう。新しいお寺のカタチ。》

 というキャッチコピーがついている龍岸寺では、DJイベントなどこれまでのお寺のイメージを覆す活動を行っており、今回行われた「ドローン仏阿弥陀二十五菩薩来迎」ももちろんAIではなく、リアルに行われたものだ。

 公式サイトの「ドローン仏」のページには、

ドローンに乗せた仏像、ドローン仏(ぶつ)。きわめて現代的で先鋭的な試みかもしれませんが、その根底にあるのは、日本人が千年以上にわたって願ってきた仏教的な世界観へのオマージュです》

 と書かれており、2018年11月に行われた「超十夜祭」において、仏師・三浦耀山師が自作の阿弥陀三尊像を3Dプリンターで複製し、ドローンに載せて空中を飛来させることに成功したと紹介されている。

 そこで仏像制作などを行う工房「土御門仏所」の三浦耀山師にドローン仏について、話を聞いた。

1通のダイレクトメッセージがきっかけで限界突破

――構想はいつ頃からあったのでしょうか?

「仏像を宙に浮かしたいという考えは以前からありました。来迎(阿弥陀如来がお供の菩薩たちと極楽浄土から雲に乗って亡くなった人をお迎えに来る)という仏教の教えは日本では平安時代頃から熱心に信仰されていて、その世界観を来迎図という絵画で表現していました。

 私たち仏師は昔からこの来迎を仏像で表現したいと思っていて、昔の人は雲の彫刻に乗った仏像を壁の高いところに貼り付けたり、欄間彫刻にしたり、台座を雲にしたりしていました。そんな中、私がドローンに仏像を載せようと思いついたのは2018年です」

――その後、どのように準備を進めてきたのでしょうか?

「仏像をドローンにのせて飛ばしたところ、可能性があると思い、その年にプロトタイプを龍岸寺さんに見せに行きました。龍岸寺池口住職がこれを見てお寺の法要で飛ばしてみますかと言ってくれたのがきっかけで今回につながるドローン仏プロジェクトが始まりました。ドローン仏の上に乗せる仏像は、軽量化のため私が彫った木の仏像の3Dデータを取り、中を空洞化して重さを10gほどに抑えています」

 2022年に初めての編隊飛行が可能に。構想から8年の歳月を経て、今年ようやく完全形になったという。

――29基の編隊飛行を成功させるまでに特に苦労した点は?

「2018年当初はドローンの知識が全くなかったため、とりあえずamazonで手ごろなドローンを買い、コントローラーで一人一台を飛ばしていました。ただ狭い空間で3台以上とばすと電波障害が起こり、制御不能になる機体が出てくるのが一番の問題点でした。その解決策として一回り大きいドローンを買い、一台に3体の仏像を載せるなどして飛ばす仏像の数を増やしていましたが2021年ころには限界を感じていました。

 そんなときtwitter(現・X)でドローン会社で働いている方からドローンをプログラミングで複数台飛ばせる機体がでましたよというダイレクトメッセージをもらい、その方がドローン仏に協力してくれるようになりました。2022年に10台のドローン仏を編隊飛行させることに成功し、年々数が増え今回の29台につながりました」

 今回の反響の大きさをこう語る。

「今回はゴールに掲げていた26体によるドローン仏阿弥陀二十五菩薩来迎に加え、お迎えに来てもらう亡くなった人(往生者)のドローン3体も加わり、総勢29体となり、その量と完成度に今までで一番といってよいほど反響をいただきました。

 これまではお迎えに来る仏さまだけを飛ばしていたのですが、今回は往生者がそのドローン仏の輪に加わるというストーリー性を持たせたので、それが感動を呼んだようです。今回のプログラミングは大阪万博のドローンショーを手掛けた株式会社レッドクリフさんにお願いしました(2022年から協力してくれていた方が現在レッドクリフで働いているため)。

 屋外に対して屋内のドローンショーをあまり見かけないのは、屋内のドローンショーはGPSが働かないため屋外より難易度が高いかららしいです。あまり広くなく仏具や柱があるお寺の本堂で29台飛ばすのはかなり難しい挑戦だったということです」

 ドローン仏は龍岸寺本堂に安置されており、間近で拝むことが可能。堂内を飛来する「極楽来迎図」も有料のガイドツアーで参拝できるものの、こちらは6体での飛来となっている。

 29基の編隊飛行を今後見られる機会を龍岸寺に確認すると、

「現段階では決まっていないもののまた見たいというご意見を多数いただいているので、検討中です。決まった際は公式サイトや公式SNSでご報告いたします」

 とのことだった。さまざまなカタチで仏教の世界観を伝えてくれるお寺が増えれば、興味を持つ若い人も増えそう!