W杯敗退直後、一番最初に駆け寄ったGK大迫敬介…GK鈴木彩艶に伝えた言葉は
W杯のピッチには立てなかった。それでも、同じGKとして最後まで仲間を支えた。日本代表GK大迫敬介(広島)は北中米ワールドカップ決勝トーナメント1回戦・ブラジル戦後、ピッチに倒れ込んだGK鈴木彩艶(パルマ)のもとへ歩み寄り、そのプレーを称えながら抱きかかえた。
日本はMF佐野海舟のゴールで先制したが、後半に追いつかれ、後半アディショナルタイムに決勝点を献上。1-2で敗れ、悲願の決勝トーナメント初戦突破はならなかった。大迫は今大会で出場機会を得られず、ベンチからチームの戦いを見届けた。
敗戦から一夜明けたホテルでの囲み取材。大迫は「今までだったらここからもう一回起きて、みんなで移動して練習してという流れだった。それがない。朝起きて、動く目的がないというのが一番だった」と喪失感を口にした。
自身にも悔しさはあった。「出る時に100%自分なりに準備はできたつもりだったけど、それが叶うことができずに。僕も正直めちゃくちゃ悔しかった」(大迫)。それでも試合後、最初に向かったのはピッチに膝をつく鈴木のもとだった。
「プレーしている選手のほうがより悔しい。彩艶もあれだけ止めていた中で、最後失点して負けてしまった。彩艶を称えに行ったという言い方がいいかわからない。だけど、本当にすごく素晴らしいプレーだったよという話をした」
同じポジションだからこそ、複雑な思いもある。大迫は「彩艶のプレーは素晴らしかった。同じGKとしてすごく刺激をもらえたので、感謝している」と語った一方、「同じポジションというところで、自分自身も負けたくない」と競争心も隠さない。
飛び級で加わった鈴木とは、世代別代表からともに過ごしてきた。2022年カタール大会後からはA代表に定着し、24年のアジア杯後からは鈴木を支える時間が続く。「成長の速度と曲線は、高いレベルでやっているだけある。昨日の試合を見てより感じた」。GK早川友基も含めたGKチームで、ともに刺激し合ってきた。
初めて経験したW杯は、外から見ても特別だった。「親善試合で強豪国を倒してきた経験はあるけど、本大会は別次元。大会の雰囲気だったり、臨む緊張感だったり、負けたら終わりのトーナメントに入ってからの緊張感は、今までに感じたことがなかった」。出場こそなかったが、その空気は確かに刻まれた。
今大会の日本は「優勝」という目標を明確に掲げて戦った。大迫は「高い目標を掲げたからこそ、成長の速度は間違いなく大きかった」とチームの戦いを振り返る。「この4年間やってきたものが間違いじゃなかったというのは今回の大会でもわかった。目標をぶらさず、これから先もやっていく必要がある」と力を込めた。
自身は出場機会をつかめなかった。それでも、鈴木から受けた刺激、世界最高峰の舞台で感じた基準は、今後の糧になる。「同じポジションというところで、自分自身も負けたくない」。広島に戻れば再びJリーグで結果を積み重ね、4年後のW杯へ向けた競争も始まる。悔しさを胸に刻んだ守護神は、世界で得た経験を自身の成長へとつなげていく。
(取材・文 石川祐介)
日本はMF佐野海舟のゴールで先制したが、後半に追いつかれ、後半アディショナルタイムに決勝点を献上。1-2で敗れ、悲願の決勝トーナメント初戦突破はならなかった。大迫は今大会で出場機会を得られず、ベンチからチームの戦いを見届けた。
自身にも悔しさはあった。「出る時に100%自分なりに準備はできたつもりだったけど、それが叶うことができずに。僕も正直めちゃくちゃ悔しかった」(大迫)。それでも試合後、最初に向かったのはピッチに膝をつく鈴木のもとだった。
「プレーしている選手のほうがより悔しい。彩艶もあれだけ止めていた中で、最後失点して負けてしまった。彩艶を称えに行ったという言い方がいいかわからない。だけど、本当にすごく素晴らしいプレーだったよという話をした」
同じポジションだからこそ、複雑な思いもある。大迫は「彩艶のプレーは素晴らしかった。同じGKとしてすごく刺激をもらえたので、感謝している」と語った一方、「同じポジションというところで、自分自身も負けたくない」と競争心も隠さない。
飛び級で加わった鈴木とは、世代別代表からともに過ごしてきた。2022年カタール大会後からはA代表に定着し、24年のアジア杯後からは鈴木を支える時間が続く。「成長の速度と曲線は、高いレベルでやっているだけある。昨日の試合を見てより感じた」。GK早川友基も含めたGKチームで、ともに刺激し合ってきた。
初めて経験したW杯は、外から見ても特別だった。「親善試合で強豪国を倒してきた経験はあるけど、本大会は別次元。大会の雰囲気だったり、臨む緊張感だったり、負けたら終わりのトーナメントに入ってからの緊張感は、今までに感じたことがなかった」。出場こそなかったが、その空気は確かに刻まれた。
今大会の日本は「優勝」という目標を明確に掲げて戦った。大迫は「高い目標を掲げたからこそ、成長の速度は間違いなく大きかった」とチームの戦いを振り返る。「この4年間やってきたものが間違いじゃなかったというのは今回の大会でもわかった。目標をぶらさず、これから先もやっていく必要がある」と力を込めた。
自身は出場機会をつかめなかった。それでも、鈴木から受けた刺激、世界最高峰の舞台で感じた基準は、今後の糧になる。「同じポジションというところで、自分自身も負けたくない」。広島に戻れば再びJリーグで結果を積み重ね、4年後のW杯へ向けた競争も始まる。悔しさを胸に刻んだ守護神は、世界で得た経験を自身の成長へとつなげていく。
(取材・文 石川祐介)

