22歳で経験した初めてのワールドカップを、日本代表DF鈴木淳之介(コペンハーゲン)は「次につなげるための経験」と受け止めた。北中米W杯決勝トーナメント1回戦・ブラジル戦での敗退から一夜明け、ホテルで取材に応じた鈴木は「帰ってくるためにやり続けることが一番大事」と静かに前を向いた。

 鈴木はグループリーグ第2節・チュニジア戦で後半28分に途中出場し、W杯デビュー。ブラジルとの決勝トーナメント初戦でも後半21分からピッチに立ち、押し込まれる苦しい時間帯で守備を任された。しかし、チームは1-2で逆転負け。「純粋に悔しい。本当に高い目標を設定していた中で早く終わってしまったのは、本当に悔しい」と率直な思いを口にした。

 ブラジル戦では後半から相手が戦い方を変え、クロス攻撃を増やしてきた。「とにかく押し込まれていたので、守備のところをやらせないことだったり、クロスが多くなってきた中での途中出場だったので、そういうところを徹底するように意識して入った」。逆サイドからのクロスにも「相手をしっかり捕まえて、とにかくやらせないことを意識した」。危うい場面でも体を張り、決定機を作らせなかった。

 ただ、流れを変えることはできなかった。「交代選手で流れを変えられれば良かったけど、同じような流れで試合が進んでしまって、なおかつ失点もしてしまった」。自身のプレーについても「何ができるかという中で何もできなかったのが今の自分の実力。純粋にブラジルが強かった」と厳しく受け止めた。

 W杯では2試合に途中出場したが、「プレー自体で得たものは何もない」と自己評価は辛い。それでも「こういう舞台を経験できたことで、何かわからないですけど、次につながることがあれば、それが得たことになる」と経験の価値を未来に求める。

 その一方で、22歳で世界最高峰の舞台を経験した意義は大きかったという。「この年齢でこういう独特なプレッシャーや重要性を経験できたのはすごく大きい。これ以上の緊張はないと思っているので、どの舞台でもできる」。日本代表の中心を担うことについては「まだそのレベルにあるか分からない」としながらも、「また代表でスタートから出られるように、自身でしっかりやりたい」と意欲を示した。

 森保一監督からは「判断の部分をもっと上げていかないといけない。技術は持っている」と課題を伝えられたという。クラブでもさらなる成長を誓い、「まずはコペンハーゲンでやるべきことをしっかりやる。この夏に行けなくても、試合に出続けて活躍すれば見てくれるクラブはあると思う。流れに身を任せながら、チームで頑張りたい」と語った。

 悔しさを胸に刻んだ22歳は、「試合に出る、出られないはこれからもあると思いますけど、腐らずやっていれば、もう一度ここには帰ってこられると思う」と力を込める。初めて立った最高峰の舞台を、次の飛躍への基準にしていく。

(取材・文 石川祐介)