日本代表MF久保建英(ソシエダ)が北中米W杯ベスト32敗退から一夜明けた30日、解散式が行われたヒューストンのホテルで報道陣の取材に応じ、「1試合で僕は終わっちゃいましたけど、でもピッチに出るだけが全てじゃないので、いろいろ学ぶものもあった。試合に出た時間は一瞬だったので短かったけど、なんだかんだ1か月くらいいたので長かったですね」と大会期間を振り返った。

 日本代表は5月25日から千葉市内で合宿をスタートし、31日のアイスランド戦を経て、6月2日からメキシコ・モンテレイで事前キャンプを実施。同8日からベースキャンプ地のアメリカ・ナッシュビルに移り、大会開幕を迎えた後、14日にオランダ戦、20日にチュニジア戦、25日にスウェーデン戦、29日にブラジル戦を戦い、チームとして1か月間以上の時間を共にしてきた。

 久保は今月14日の初戦オランダ戦で先発出場し、チームの1点目をアシストしたものの、後半途中に左膝を負傷。これまでの約半月、治療とリハビリに時間を費やしてきたが、復帰が叶うことはなかった。

 それでも試合に出られない間はメンターのMF南野拓実の存在が支えになっていたといい、「そもそも南野選手自身がみんなが励まさないといけないくらいの大けがなのに、彼がいるだけで『なんで俺なんだ』と思わずに『頑張ろう』という気持ちになれた。自分勝手だけど南野選手がこうして来てくれるのはありがたかった」と感謝を口にした。

 負傷後の久保はチュニジア戦、スウェーデン戦こそ開催会場に帯同せず、リハビリに専念していたが、ブラジル戦では3試合ぶりにベンチ入り。試合前にはウォーミングアップエリアに姿を見せ、元気そうにシュート練習の球出しをする姿も見られた。

 久保によると、シュート練習でサポートに回ったのは「ボール蹴りたかったんで」というシンプルな理由。時折リフティングをする場面も見られたが、「本当だったら混ざりたかったけど、今日じゃないということで。だったらボール出しくらいしたい」との思いでピッチに立っていたようだ。

 試合に出られなかった間を「(周りを)支えるというよりは、みんなに励ましてもらっていただけ」と振り返った久保だが、その口ぶりから体調不良のまま敗退を迎えた前回カタールW杯のような悲壮感は感じさせなかった。4年後への決意を冷静に語った。

「4年あるけど、選手寿命も長いので。実力的に言ったら今回選ばれた選手たちがたぶんこのまま残っていくんだろうなというくらいに今回レベルが高かったので、(負けたことが)もったいない気はしますけど、4年は長いけど僕は29なので。あとはいま29歳、30歳の人たちにしっかりトレーニングとケアをしてもらって、最高のコンディションでまたみんなで出られたらと思います」

 4年後のW杯は久保にとって“第2の故郷”であるスペインを中心とする広域開催。今大会でも同じスペイン語圏のメキシコで絶大な人気を誇っていたが、次回はさらに大きな知名度を誇る地元とあり、より主役級の後押しが得られるはずだ。久保は軽快なジョークを交えて報道陣を笑わせ、高揚感を表現した。

「まだ所属しているチームのスタジアムが選ばれるかはわからないので、いろんな話も聞いていますけど、なんかチームメートからも『チケットもらえるんだよね?』とかって言って来てるんで(笑)。できるならメンバーに選ばれた上で、なおかつ今回はアメリカでしたけど、グループリーグをスペインでやれればなと思いますね」

 取材の終わり際には日本代表へのやりがいについて「代表、楽しいですし」と話した久保。2度の悲運に見舞われながらも、モチベーションがたえることはない。

「なんだかんだ今回は最後まで戦えるかなと思っていたけど、結局また違った理由でまた最後に戦えずということで、あまり未来の話はしたくないですけど、4年後は最初から最後までピッチに立てるようにいろいろ気をつけたいなと。僕はそんなにケガするタイプじゃなかった。最近はケガが増えましたけど、ピッチ外のところで気をつけて、コンディションを整えるというよりもトレーニングばかりに偏らず、いろんなところを見直したいと思います」。最後はまっすぐに決意を込めた。

(取材・文 竹内達也)