「なんて言ったらいいか難しいですけど、あっけなく終わったなと。セカンドハーフの戦い方を踏まえても、日本はまだ強豪国と対等に渡り合えるレベルじゃないのかなというふうに痛感させられた。ボールを持ってる・持ってないに関わらず、守備時でも主体的にやることができないと、彼らとは対等に渡り合うことはできない。着実に前進しているとは感じますけど、個人的にはまだまだなんだろうなと思います」と冨安はあえて厳しい目線で自分自身、そしてブラジルに敗れた日本代表を評価していた。

 本当に辛く苦しい結末になってしまったが、冨安自身にとっては復活を印象付けた大会になったと言える。ピッチに立ったのは、初戦のオランダ代表戦の後半30分以降と、第2戦のチュニジア代表戦の78分間、そしてブラジル代表戦の90分とプレータイムも伸び、強度や球出しの部分でも試合を追うごとに磨きがかかってきた。ここからもう一度、いいキャリアを踏み出せそうな印象を残したのは事実。それは日本代表の今後に向けても朗報と言える。

「こんな状況でワールドカップに選んでもらって、試合に出させてもらったことに関しては、本当に森保さんに感謝しかない。今大会だけじゃなく、今後のサッカー人生のチャンスを、森保さんにもらったと思ってます。もう自分1人のサッカー人生じゃないというか……。ケガの時期を乗り越えて、本当に沢山の人に支えてもらいましたし、サッカーができていることは当たり前じゃないなと感じます。それを忘れずに、今後も取り組まないといけない。森保さんへの恩返しも含めて、今後はもっともっと自分に要求していかないと。ピッチ上でしか返せるものは返せないんで、ピッチ上で恩返したいなと思います」
 
 冨安は時折、声を詰まらせながら、涙を流し、森保監督への心からの感謝を口にした。そこまでの強い絆があったからこそ、「森保監督のために勝ちたい。優勝したい」という思いも湧き上がってきたはずだ。結果的にそれは叶わず、指揮官との共闘もこれで一旦の区切りとなったが、日本代表活動やクラブでのプレーは続いていく。次の4年間こそが、冨安にとっての本当に勝負。2026年の経験を生かし、背番号22はさらなる進化を続けていくしかない。

取材・文=元川悦子


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