“庶民の味方”たこ焼きがピンチ 円安でタコ高騰…マグロと価格逆転も 国産も“大不漁”水産会社で育てる動き
“庶民の味”として親しまれる「たこ焼き」ですが、タコが高級食材に様変わりしています。国内では全国的に不漁に見舞われ、円安の影響で輸入のタコも高騰しています。
■ワンコインに近い値段で「たこ焼き」販売も本音は…

あっつあつの鉄板の上で、クルクルとひっくり返されていく「たこ焼き」。“庶民の味”として、店でも家庭でも愛されてきましたが…。
「POP STAR」三橋俊広代表
「1キロ単位で(仕入れ値が)150円〜350円ぐらいの上げ幅になってますね」
「タコ」があってこそのたこ焼き。しかし、この店で使っている輸入のタコが、半年で1〜2割値上がりしているといいます。
多い日には、1日10キロほどのタコを使用することもあるというこちらのお店。現在は6個入りを550円と、ワンコインに近い値段で販売していますが…。
「POP STAR」三橋俊広代表
「本音を言えば800円・900円とか取りたいところではあるんですけど、やっぱり世間のイメージとのギャップがかなり生じると思うので、苦しいのが本音ですね」
■“タコ離れ”の危機 円安や中東情勢などの影響で

“庶民の味”に、いったい何が起きているのか。
29日、茨城県の水産会社「津久勝」の倉庫を見せてもらうと…例年より少ない方だといいます。
主にアフリカからタコを輸入し、加工して販売していますが…。
「津久勝」津久浦裕之・代表取締役
「今年はアフリカも高い。仕入れ値が上がるし、販売の単価も上がる」
輸入タコのおよそ3割を占める、アフリカ・モーリタニア産。円安や中東情勢などの影響で、1キロあたりの値段が、この1年でおよそ200円上がっているのです。
「津久勝」津久浦裕之・代表取締役
「これ以上あげるとタコ離れが起きてくるので。高すぎて。本当にタコが好きな人しか買わなくなる」
■タコの価格がマグロを“逆転”

“タコ離れ”の危機は、すでに都内の鮮魚店にも…。
客
「ちょっと(値段)上がったよね、タコね。『タコさんどうにかしてちょうだい』っていいたい」
客
「このくらい(の値段)だったら、西京漬けとか(他の)お魚の方が食べがいある」
こちらの鮮魚店で販売されている国産のタコは100グラム599円。一方、隣で販売されているマグロの切り落としは100グラム480円。“高級魚”マグロよりも、タコの方が値段が高くなっています。
「中與商店 武蔵小山店」前里芳樹店長
「昔は非常に安くて庶民の味だった。大衆に買える値段ではなくなってきている」
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総務省の調査でも、タコの価格は右肩上がり。タコがマグロよりも高くなる“逆転現象”が起きているのです。
■国産のタコも“大不漁”小さなタコ育てる水産会社も

タコ漁の現場でも…。
河今定置網組合 杉田勇気さん
「だめだ、入っていない。ほんまにおらん。まいった。ぜんぜんおらん」
とれたタコは5匹だけ。水産会社によりますと、今年は国産のタコも“大不漁”だといいます。
こうした中、福井県小浜市の水産会社では、今年度から小さなタコをいけすで育て、出荷を目指しています。
課題は、おなかがすいたタコが“共食い”してしまうことだといいますが…。
浦谷水産 佐々木彰さん
「コノシロって売っても全然お金にならない。そういうのをあげて、少しでも成長してくれれば」
“値段の付かない魚”をエサとして与えることでコストが抑えられ、順調に育てば半年ほどで300グラムからおよそ1キロのサイズまで成長するといいます。
“庶民の味”復活へ。今後、タコが手軽に食べられるようになるのでしょうか。