@AUTOCAR

写真拡大 (全6枚)

M5 ツーリングのやや重たい雰囲気を一新

ボーフェンジーペン・オートモビル社が突如発表した、ステーションワゴンの05 GT。試乗場所はオーストリア中部のザルツブルクリンク・サーキットだったが、超低空飛行するプライベートジェットのような、圧巻の体験だった。まさに、モンスターだ。

【画像】V8ツインターボHVは801psへ ボーフェンジーペン 05 GT 5シリーズとアルピナB5 GT、ザガートも 全101枚

それへ触れる前に、スタイリングを観察していこう。控えめな造形を生み出したのは、カーデザイナーのフランク・ステファンソン氏。ベースとなった、G99型のBMW M5 ツーリングのやや重たい雰囲気が、一新されている。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

ボディサイドには、アルピナを彷彿とさせるピンストライプ。塊感を軽減するべく、サイドシルはえぐられるようにカーブしている。前後のバンパーは精悍さを増し、ルーフスポイラーが後ろ姿を引き締める。

フロントスカート中央には、ボーフェンジーペンとアルファベットで綴られる。オリジナルを素材に、巧みに新たなイメージが醸成されていると思う。

アルピナ時代の技術生きるカスタマイズ可能な内装

極めて豪華なインテリアも、アルピナ時代の技術が生きている。シートのヘッドレストには、目新しいロゴがエンボス加工で施されるほか、オーナーの希望に合わせて、カスタマイズの可能性は無限大といっていい。

ただし、プラスティックが目立つダッシュボードが、全体の雰囲気を僅かに乱す。要所に手は加えられ、ボーフェンジーペンとして最大限の努力は投じられているが。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

シートはスポーティな造形ながら、パイピングが巧妙に施され、快適性が高められている。センターコンソールのパネルは、差し色で鮮やかに染められる。

驚異的な動力性能に期待通りしなやかな足さばき

公道での走りは確かめられていないが、ザルツブルクリンク・サーキットの荒れた路面を、05 GTは見事に処理していた。ボーフェンジーペン家のチューニングとして、期待通りに足さばきはしなやか。信頼感を生む、操縦性や姿勢制御も叶えている。

動力性能は驚異的。ブレーキングゾーンでの安定性には、眼を見張る。大きなステーションワゴンでありながら、コーナリングも極めて精彩といえる。それでも、僅か6周に限られた試乗では、動的能力を詳しく把握することは難しい。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

試乗の終盤、ボーフェンジーペン・ザガートを追走した場面では、フロント寄りの重量配分と、そもそもの車重が足かせとなり、コーナーの入口で引き離される。しかし、回頭が落ち着き頂点をかすめると、出口へ向けてクーペのテール目掛けて突進していく。

大きな飛行機が、小さなセスナを追い回すように。パフォーマンスの高さは明らかで、落ち着きも秀抜で、長距離クルーザーとしての能力に間違いはないだろう。

年間約100台しか提供されない希少性

もっとも、M5 ツーリングより約4万4000ポンド(約924万円)もお高い05 GTを欲する人は、特注のインテリアを我が物にすることが主な目的かもしれない。独自性の高いスタイリングも。

現実的には、パワーアップの効果を公道で実感することは難しいはず。車重は2555kgで、ベース車両から5kg増えている。長時間の乗り心地を考えると、21インチタイヤはサイドウォールが薄すぎるかもしれない。20インチへ、サイズダウンしても良い。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

M5 ツーリングの乗り心地は硬めにあり、05 GTがグレートブリテン島の道でどんな印象を与えるのか、非常に興味深い。それが改善される上質さなら、約14万4000ポンド(約3024万円)の英国価格や7か月の納期を、受け入れる人は少なくないだろう。

また、歴代のアルピナを求めてきた人にとって、希少性も理由の1つになってきた。ドイツ南部、ブーフローに構えた工場は、年間で約100台しか提供できないそうだ。

ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)のスペック

英国価格:約14万4000ポンド(約3024万円)
全長:5092mm
全幅:1970mm
全高:1516mm
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.6秒
燃費:18.9km/L
CO2排出量:124g/km
車両重量:2555kg
パワートレイン:V型8気筒4395cc ツインターボチャージャー+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:801ps(システム総合)
最大トルク:111.9kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック/四輪駆動


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)