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過去数10年のアルピナを象徴する手法を

先日ご紹介させていただいた、ボーフェンジーペン・ザガートの試乗記はお読みいただけただろうか。その会場へ向かった筆者は、新しいステーションワゴンも発表されたことに驚かずにいられなかった。800馬力以上を誇るが、ショーカーではない。

【画像】V8ツインターボPHEVは801psへ ボーフェンジーペン 05 GT 5シリーズとアルピナB5 GT、ザガートも 全102枚

アルピナを創業したボーフェンジーペン家は、2025年にそのブランドをBMWへ譲渡している。だが、歴代の名車を知るAUTOCAR読者なら、05 GTとアルピナB5 ツーリングとの共通性へ気づくに違いない。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

BMWから届けられる車両を素材に、躍動的かつ優雅な容姿へ改め、滑らかなエンジンの強化と、快適性重視のサスペンションへの換装に、一層上質なレザーインテリアへのアップデート。これらの手法は、過去数10年のアルピナを象徴するものだった。

だが今後のBMWは、アルピナを7シリーズのハイエンド仕様として提供する。ボーフェンジーペン家は、その崇高なレシピを最新5シリーズで展開することにしたようだ。

ベースはG99型のM5 ツーリング

2024年に終売となった、G30型5シリーズがベースのB5 ビターボ・ツーリングと比較すると、05 GTは技術的な変更範囲が従来ほど大きくないことがわかる。トランスミッションやラジエターに変更はなく、シャシーの剛性強化も図られていない。

だがそもそも、その必要はなかったといえる。素材に選ばれたのは、G61型のBMW M550ではなく、G99型のM5 ツーリングだから。サルーンは、用意されていない。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

自分のガレージにも1台を、とお考えなら、BMWではなく、ボーフェンジーペン・オートモビル社へ注文する必要がある。既存のM5 ツーリングのアップデートは、受け付けていないという。

V8ツインターボは吸排気系の改良で73ps増し

最新のM5 ツーリングは剛腕級エンジンを搭載しているから、05 GTのスペックもタダモノではない。最高出力は801psに達し、111.9kg-mもの最大トルクはアイドリングより少し上の回転数から生成される。

4.4L V8ツインターボガソリンエンジンは、吸気系を改良。アクラポビッチ社製のチタンエグゾーストも組まれたことで、73psの強化が叶えられた。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

0-100km/h加速は3.6秒以下で、最高速度は305km/h。8速オートマティックのギア比的には7速で365km/hに到達でき、アウトバーンで加速を続ければ、320km/hを超えることも不可能ではないだろう。M5 ツーリングより速いことは、疑いようがない。

ご存知の通り、M5はプラグインハイブリッド。ボーフェンジーペンは、約200psの駆動用モーターを降ろすことも検討したというが、最終的には残されている。最長で、約56kmを電気だけで走ることもできる。

多彩なドライブモードやトラコンは利用可能

Mアダプティブダンパーは、ボーフェンジーペン用に最適化され、アイバッハ社製の専用スプリングを装備。独自のストラットタワー・ブレースも得ている。

アルミホイールは、前後とも21インチ。ピレリへ特注された、BOVマーク入りのPゼロ Rタイヤが組まれ、接地面積はM5 ツーリングに準じる。


ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

ステアリングラックや後輪操舵、四輪駆動システムなどは、標準のまま。多彩なドライブモードや、幅広く調整できるトラクション・コントロールを従来通り利用でき、制御も変わらないそうだ。

気になる走りの印象とスペックは、ボーフェンジーペン 05 GT(2)にて。