「幹部として迎え入れられた可能性が高い」元警部補が“メンバー”と一緒に歩く姿が…捜査当局まで侵食する違法スカウト組織「ナチュラル」の恐怖
違法スカウトグループ「ナチュラル」のナンバー2が捕まった。警視庁は6月11日、幹部の榎本悠人容疑者(35)を職業安定法違反(有害業務の紹介)容疑で逮捕した。
【画像】逮捕された榎本悠人容疑者(35)。憮然とした表情で、遠くをぼんやりと見つめている。金メッシュの前髪が印象的だ
榎本は配下のスカウトから回収した年間数十億円規模に及ぶ金の管理など、組織の運営部門を統括。「管理部門の心臓」と呼ばれてきた人物だ。

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「木山」ことトップの小畑寛昭被告も、1月に逮捕されて公判中の身だ。だがナチュラルは依然、性風俗店相手に女性を斡旋する活動を続けている。
ナチュラル側に捜査情報が漏れている?
警察当局は組織壊滅に向け、さらなる捜査を進めたい考えだが、主力の警視庁内部に、ある不安が渦巻いているという。
「捜査情報が、『ナチュラル側に漏れているのではないか』という疑念です。実は、榎本は4カ月前に逮捕する予定でしたが、直前になって突然姿を消していたのです」(捜査関係者)
榎本は2023年に群馬県高崎市の風俗店に女性を紹介した疑いで逮捕された。小畑も今年2月に同じ容疑で再逮捕されたが、その時が榎本の本来の逮捕予定だった。「逃走のタイミングが絶妙で、捜査に携わるほぼ全員が『(情報が)抜けた』と思った」(同前)という。
警視庁は4月に榎本を全国に指名手配。今月16日には公開手配に切り替えて、顔写真を公表するつもりだったが、結果的に大阪・梅田のパチンコ店にいるところを見つけ、何とか逮捕にこぎ着けた格好だ。
警視庁では25年11月、ナチュラルに捜査情報を漏洩した元警部補(44)を逮捕する事案があった。自宅などからは、ナチュラル関係者の指紋が付いた1000万円近い現金まで見つかった。
「俺以外にも情報を流していたやつはいる」
小畑も強制捜査直前に所在不明になり、1年間逃走し続けた。最後は公開手配で、奄美大島で見つかったが、逃走は「元警部補による漏洩で身の危険を知ったため」(捜査幹部)だった。
元警部補は逮捕後の調べに「名前は伏せるが、俺以外にもナチュラルに情報を流していたやつはいる」と言い残している。
「警視庁は、昨秋以降も捜査員に私物のスマホを提出させるなどして、裏切り者のあぶり出しを進めてきた。だが榎本の件で、警視庁内部にまだ『裏切り者』がいる可能性が高いことがわかった」(前出・関係者)
さらにこの元警部補、3月に執行猶予付き有罪判決を受けたのだが……。
「逮捕時から『ナチュラルに再就職するだろう』と言われていたが、実際に今春以降にナチュラルのメンバーと一緒に歩く姿が防犯カメラに映っている。既に幹部として迎え入れられた可能性が高い」(同前)
ナチュラルは年間50億円にも及ぶ収益を上げ、2000人規模の組織を維持し続けているとされる。カネを駆使した毒牙は、警察内部に刺さったままなのか。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年6月25日号)
