FIFAワールドカップ2026のアルジェリア戦でハットトリックを達成したアルゼンチン代表のリオネル・メッシ(写真・共同通信)

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 個人としては史上最多となるバロンドール賞8回受賞。所属したバルセロナではリーグ制覇10回、UEFAチャンピオンズリーグ4回。アルゼンチン代表としてもコパ・アメリカ(南米選手権)2回、FIFAワールドカップ(W杯)1回と、ありとあらゆるタイトルを欲しいままにしてきたFWリオネル・メッシ。

 そのコレクションに、また新たなタイトルが加わりそうである。

 6月16日(日本時間17日)、アルゼンチンは北中米W杯初戦となったアルジェリア戦で3−0の快勝。そのすべてのゴールがメッシによるものだった。

 このハットトリックは38歳で達成したことになり、W杯史上最年長記録となった。同時にW杯通算得点が「16」となり、元ドイツ代表FWミロスラフ・クローゼの記録に並んだことになる。まだ初戦だというのに、いきなりのエンジン全開に世界中のフットボール・ファンは驚きを隠せなかった。

 メッシの愛称は数多くあるが、“神の子” が一般的。だが、地元アルゼンチンでは「“子” を取れ! もはや “神” だ」と大騒ぎとなっている。

 また3ゴールは、少々曰くつきのゴールとしても注目されている。というのも、チュニジアのゴールを守っていたのがルカ・ジダンで、あの “フランスの英雄” ジネディーヌ・ジダンの次男なのだ。

 父親が天才的なMFだったのに対し、ルカが選んだポジションはGKだった。それでもレジェンドの血を受け継ぐルカは、世代別の代表ではフランスを選択してプレーしていた。

 しかし、フランスのフル代表GKの高い壁を破ることができず、今大会出場に向けて2025年10月、祖父母の出身地であるアルジェリア代表を選択した。

「メッシとジダンは15も歳が離れていますが、2005年のバルセロナとレアル・マドリードの “クラシコ” で2人は初めて対峙しました。その前年にリーガデビューを果たし、すでにスーパースターへの階段を上り始めていたメッシでしたが、やはりジダンは別格だったようです。

 試合後、メッシのほうからユニフォーム交換をお願いし、ジダンも快諾。メッシ本人も『ユニフォーム交換は、ジダンに一度だけ頼んだことがある』と認めています。

 それが最初で最後のユニフォーム交換のお願いだったのです。現在は、相手チームにアルゼンチン人の選手がいる場合は交換するそうですが、あくまでも相手がお願いしてきたときだけです。

 メッシにとってジダンは、ユニフォームの交換をお願いするほどの唯一無二の存在でした。それが、息子とはいえ容赦なく3ゴールを叩き込まれては、ジダンにとっては強烈なしっぺ返しだったはずです(笑)」(サッカーライター)

 メッシとの初対戦から21年のときを経て、ジダンの姿は試合会場の米・カンザスシティ・スタジアムにあった。苦虫をかみ潰したような表情とともにーー。