再審制度改正案 衆議院法務委員会で可決 袴田ひで子さん「50%進んだ。これからも黙っていない。」
裁判のやり直しをめぐる制度の改正について、12日、衆議院の法務委員会で法案が可決しました。改正に向けては証拠開示のあり方などをめぐり議論は大もめに…可決された法案にも議論の余地が残されています。
(委員会の採決)
「原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よって本案は修正議決すべきものと決しました。」
再審=裁判をやり直す制度を見直す「刑事訴訟法改正案」が、12日、衆院法務委員会で賛成多数で可決しました。
(参政党・神谷代表)
「(法案が)十分なものになっているかというとそうではないんですけれども、やはり少しでも前に進めるということで、(修正案の)共同提出に会派として参政党も加わるということを合意しました。」
参政党が賛成に回ることになったため、法案は衆議院だけでなく、少数与党の参議院でも賛成多数となる見通しで、今の国会で成立する公算が大きくなりました。
「再審制度見直し」を巡っては、当初の政府案が国会に提出される前から、自民党内で激しい議論が交わされてきました。
( 自民党・井出庸生議員)
「自民党はな法務省のためにあるんじゃないんだぞ!国民のためにあるんだぞ!忘れるなよ!」「まだ会議始まっていません」
( 自民党職員)
「報道の方、速やかに退出をお願いします。」
( 自民党・井出庸生議員)
「不誠実なんだよ!」
焦点となったのは、「検察官の抗告不服申し立て」を禁止するか否かです。政府案では、検察官による抗告、不服の申し立てを原則禁止としていますが、「十分な根拠がある場合」は例外として抗告を認めています。
(袴田ひで子さん)
「政府案は抜け道を作ってると思っております。しっかり見直していただきたいと思っております。」
政府案に“抜け道”があると批判したのは、1966年、旧清水市の一家4人殺害事件で、再審無罪が確定した袴田 巌さんの姉・ひで子さん。9日、国会に参考人として出席しました。
袴田さんの場合、2014年に静岡地裁で再審開始決定が出たものの検察が抗告、無罪が確定するまでに10年以上かかりました。
10日、法務委員会に出席した高市首相は、傍聴に訪れたひで子さんに対し…
(高市首相)
「きょうは袴田さんがお見えということで、本当に長年にわたって大切な人生の時間、筆舌に尽くしがたいご苦労・ご苦悩の中にあったと存じます。再審制度につきましてですが、近時、再審無罪判決の確定までに長時間を要して当事者の皆様に大きな負担を生じる事態となった事件があることなどを真摯に受け止め、その反省のもとに必要な改善を行うということは現下急務であると考えております。」
このように述べ、政府案の合理性を訴え今国会での成立に意欲を示しました。
12日可決された法案では…
▼検察官の不服申し立てを「原則禁止」とし、十分な根拠がある場合に限って高裁や最高裁への不服申し立てを可能としています。
一方、もう一つの焦点となっていた「証拠開示」については…
▼裁判所が再審請求の理由に関連する証拠を、検察に提出するよう命じる規定や、
▼開示された証拠を再審請求の手続きに使う以外の目的で使うことを罰則付きで禁じる規定
などが盛り込まれました。
この証拠開示について、修正案では「証拠の目的外使用禁止」の規定を、5年ごとに見直すことなどが明記されました。
再審制度の見直しが前進したことに対し、袴田ひで子さんが心境を語りました。
(袴田ひで子さん)
「改正と言っても、私たちの気に入る100パーセントというのはなかなか難しいと思う。だけど50パーセントぐらいは最初からにすれば進んでるのよ。これでおしまいってことじゃなくて。で、これが第1歩。これからもまだまだ黙ってはいない、ということです。」
