生産性を上げるカギは労働条件?人間関係?【社会心理学】

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生産性を上げるカギは労働条件?人間関係?

期待されていると意識することで能率が高まる

当時主流だった照明の照度や休憩時間などの物理的な労働条件が、生産性に影響を与えるという考え方に基づいて、メイヨーらは1924年から8年間、アメリカの工場で「ホーソン実験」を行いました。

照明実験では、照度を一定に保つ場合と段階的に明るくする場合とで生産性を比較。いずれも生産性が上昇し、照明を暗くしても上昇した生産性は維持されたのです。

5名の従業員を隔離して行った継電器組み立て作業実験では、作業部屋の温度や湿度、労働日数や休憩時間などを徐々に改善していった結果、生産性が向上。その後、以前の労働条件に戻す改悪を行いますが、生産性は上がり続けました。じつは、実験の中で従業員に一定の心理状態で働いてもらうために面談を行い、要望を聞き入れて物理的な労働条件以外の条件を少しずつ変えていました。

これにより従業員の間で被験者として特別な役割を果たしているという心理的な変化が生じ、物理的な労働条件の改悪があっても生産性を上げ続けたのです。このように観察者によって被験者の行動が変化することを「ホーソン効果」と言います。

2万人の従業員を対象にした面接実験では、従業員の来歴や職場の人間関係の満足度が、職場での労働意欲などに影響を与えていると判明。

またバンク巻き取り実験では、14人の作業集団を観察した結果、社内の中で自然と生まれたインフォーマルな集団や規範のほうが、生産性に影響を与えるとわかりました。ホーソン実験によって、生産性を向上させるには、物理的な労働条件よりも従業員を取り巻く人間関係が重要であることが明らかになったのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』監修:亀田達也