「新たな年が始まるとき、『今年はよい年になりますように』と願うのは万国共通です」と話すのは、フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さん。日本では初詣をしておみくじを引いたり、絵馬に願いを書いたりしますが、フランスではどんなふうに幸せを呼び込むためにどんなことをしているのか、ペレ信子さんが教えてくれました。

フランスで幸運を呼ぶ「馬蹄(ばてい)」

今年の干支は馬(午)。フランスでは西洋占星術を参考にしている人は思いのほか多いのですが、東アジア文化の人気が高まっている近年では自分の干支を調べて、干支占いを信じている人も増えてきました。

【写真】幸福の象徴と魔除けの「馬蹄」

馬蹄は中世からヨーロッパで富の象徴や幸福をもたらすもの、また魔除けとしても使われていたそうです。ヨーロッパの建物の入り口に馬蹄が飾ってあることがよくありますが、悪魔が家に入らないようにするためのもの。馬蹄の形のアクセサリーを身につけている人もよく見かけます。

馬蹄はヨーロッパでは幸福の象徴と魔除けなので、午年の今年はとくに日仏の両文化を取り入れたラッキーな形だと言えますね。

家に入ってくるとフランス人が喜ぶ「てんとう虫」

一般的に家に虫が入ると追い払おうとすることが多いですが、フランス人が絶対に追い払わずに喜んで迎え入れるのが「てんとう虫」。そのかわいらしい姿も好まれていて、てんとう虫は神様の使いと言われています。

中世にえん罪で処刑されそうになった農夫の首に何回もてんとう虫が止まって処刑が中止になった後、真犯人が見つかったという逸話が伝えられているからです。

てんとう虫が自分に止まったら、願い事をするとよいそうです。また、そのてんとう虫の背中の黒い点の数はこれからくる幸せな年の数を表しているそう。

そんなふうによいイメージのてんとう虫は、子どものオモチャのキャラクターやイラストによく使われています。これから春に向かって、てんとう虫と会えるチャンスが増えていくのが楽しみですね。

道に落ちている硬貨を見つけたらよいことがあるサイン

宗教的な深い意味はないのですが、道を歩いていて落ちている硬貨を見つけると「ラッキー」と思う人が多いようです。お金がもらえてラッキーというのではなく、硬貨を見つけることがなにかへのGOサインだったり、よいことが起こる前兆のように受け取るようです。

たとえば、どうしようか迷っていることがあったり、出会ったばかりの人とよい関係が築けるか思案しているところで、道端に落ちているコインを見つけると、よい未来が予想されて背中を押された気になるのです。

道端で小銭を見つけることなんてしょっちゅうあるのでは?と思いますが、フランスでは最近はカード決済やデジタル決済が増えていて、コインを見つけることはますます希少になった気がします。

自分の気持ちを少しでも上げてくれるものを愛でる

どのアイテムも些細なものですが、それを持つこと、遭遇することで自分に自信がもてたり、一歩前に出ることができるとしたらそれで十分。

ラッキーアイテムが心に及ぼす影響は計り知れないと思いました。