「もうコメがなくなるよという話。将来が心配」 コメの価格高騰と備蓄米放出に農家の本音は
コメの価格が高止まりする一方で、コメ農家は近年、燃料費や肥料の高騰により経営を圧迫されています。
県内の生産者は今後のコメ価格について生産者も消費者も納得できる水準に落ち着いてほしいと話します。
肥料は2~3割値上がり 農家「5キロ3000円以上であればやっていける」
射水市の農事組合法人あしつきの郷代表理事の高橋隆之さんです。
管理する農地は東京ドーム15個分の72ヘクタール。そのうち今年は50ヘクタールでコメを作る計画です。
「今年買ったトラクターがあれなんですけど・・・これ、約1000万円します。肥料は2割3割上がってきているのでコストが上がってくるので、それだけ売り上げを上げないと、経営は非常に難しいところになるんじゃないかなと」
近年、肥料などの生産コストが上昇する中で高橋さんは「スーパーなどでのコメの価格が5キロ3000円以上であればギリギリやっていけるのではないか」と話します。
コメ農家にとって収入の柱となる概算金は
コメ農家にとって収入の柱となるのが概算金です。
概算金とは、JAなどの集荷業者が、収穫時に農家へ支払う仮渡金のことで、県単位で全農県本部などが決定しています。その後、大手卸売業者との間で販売価格が決まると、流通経費などを差し引いた分が農家に追加で支払われる仕組みです。
JA全農とやまは先月、今年秋に収穫されるコシヒカリ1等米の概算金の目安を60キロあたり少なくとも2万円とする方針を県内各JAに示しました。
去年は当初1万6000円を提示し、その後、コメ価格の高騰を受けて12月には2万100円に増額されました。当初額で比較すると今年は去年より2割以上上がることになります。
背景には、コメの品薄による集荷競争の激化があるとみられ、JAが金額を上積みすることで農家に安心感を与えコメを確実に確保したい狙いがあるとみられます。
この「60キロあたり2万円以上」を目安に県内各JAが金額を決定します。
過去最高となる最低保証価格の提示も 農家にプラスの一方で…
JAとなみ野は先月、60キロ当たり2万3千円という最低保証価格を示していて、過去最高となっています。
概算金の上昇は農家の経営にとってはプラスとなる一方で高騰が続く県産米の価格にも影響する可能性があります。
あしつきの郷・高橋隆之さん
「2万3千円でしょ、高くなりますね。やっぱり怖いな。そこから交渉が始まるから、最終的には消費者のコメの値段になっちゃう」
また、高橋さんは備蓄米が大量に放出される中で価格の高騰が続くと、今後は備蓄米を作る生産者が減るのではないかと懸念しています。
あしつきの郷・高橋隆之さん
「私たちもここから備蓄米を作るわけですよ。売りますか? あんな安い価格で。政府にコメが集まらないよ」
「あんな安い価格では政府にコメが集まらない」 農家が求めるのは農業が持続できる政策
備蓄米の概算金は一般に流通する主食米よりも60キロ当たり3000円ほど安く設定されてきたといいます。
同じ労力で作っても安く買い取られる備蓄米。高橋さんは、生産者も消費者も納得できる価格とともに農業が持続できる政策を進めてほしいと訴えます。
あしつきの郷・高橋隆之さん
「食料自給率の問題とか、食糧安保とか、そういうことをみんなが知っていてやらないとダメなんじゃない? だってもうコメなくなるよという話でしょう。今後心配ですね」
政府はこれまでの生産抑制から増産へと方針転換しようとしていますが、過剰供給は価格の下落を招き、再び経営に打撃を与える恐れがあると指摘されています。消費者が安心して購入でき生産者が将来に希望を持てる価格水準を保つための政策が求められています。
