防災のプロが考え抜いた最強の「備蓄品の保管テク」。水と明かりは分散させてリスク回避
災害に強い家づくり。家全体を俯瞰してみると、ポイントは家具や備蓄品の「配置」でした。今回は、国際災害レスキューナースの辻直美さんに、「逃げやすさ」と「備えやすさ」が考え抜かれたご自宅をご紹介してもらいます。避難経路を確保して、生存確率を少しでも上げるために、できることとはなんでしょうか。

家全体が備蓄庫。水と明かりは分散収納を
「家具のレイアウトとものの配置は、入居時、かなり入念に考えました」と辻さん。第1避難口であり防災リュックが置いてある玄関と、第2避難口となるベランダをつなぐ避難経路は、スペースに余裕をもって確保。
万が一、家具が倒れたとしても避難路をふさがない配置にし、寝室のベッドも建物の構造を考慮して、より危険が少ない配置にしたそう。
そして、防災備蓄品は、家全体を備蓄庫と考えて分散収納。
「分散すると収納力が上がりますし、リスクヘッジにもなる」とのこと。「どこの部屋で被災しても、どこかの部屋が壊滅してもなんとかなる」ようにしているそうで、とくに、命と安全をつなぐ水と明かりは家じゅうのあちこちに置かれているのが印象的です。
「明かりは普段から使っているので、非常用という意識はありません。防災を“日常”として考えると、無理なく備えられますよ」(辻さん)
●水は各部屋にさりげなく分散収納

辻家では備蓄の水は、キッチンとリビングと寝室、シュークローゼットの4か所に分けて収納。「1か所に集約して収納するとすっきりまとまりますが、そのスペースが壊滅したら、せっかくの備えが無になってしまう」。
水はどこにいても取り出せるようにしておくのがポイント。
まず避難経路を決めてから家具の配置を考える

「よくいる部屋から真っすぐ、せいぜい1回曲がる程度で玄関まで行けるようにしておいてほしい」と辻さん。その避難動線にはものを置かず、家具が倒れてもドアをふさがないよう配置します。
「避難経路が確保できると、じつは日々の家事動線もよくなるんですよ」(辻さん)
●寝室には水、スニーカー、ポータブル電源を常備
閉じ込められることを想定して水を常備。停電で真っ暗のなか、足元の安全を確保しながら避難するため、ベッド下にはスニーカーをセット。ポータブル電源は日常的に出し入れしやすいベッド下に置き、バッテリーの劣化を防ぐためにスマホの充電に使っているそう。
●枕はエアコンから遠く強い柱に向けて配置
枕の位置は強い柱の位置や、エアコンの場所などから考慮。辻家の場合、柱の強度を優先したため、エアコンはどうしてもベッド脇になってしまうそう。
「なので、揺れたらリビングに逃げると決めていて、避難時の防災頭巾代わりに掛け布団はあえて年じゅう出しっぱなしです」(辻さん)
明かりは1人につき各部屋1個ずつ

暗闇の恐怖や安全確保のため、明かりは複数用意すべし。
「ランタンなどの持ち運べる明かりを間接照明として日常使いしていると使い勝手もわかるし、電池の減りも確認できて、いざというとき困りません」と辻さん。
電池の消耗が少なく、長時間使えるLEDタイプがおすすめ。
